ボーイ・ミーツ・ボーイ
久しぶりに声を聞いた。
「もしもし? そちらから掛けてくるなんて、一体どういう風の吹き回しだ?」
「‥‥‥」
「留守電を聴いたか? そろそろ次の打ち合わせの日程を決めたいのだが」
「‥‥‥」
「おい、聴いてるのか?」
「‥‥‥」
「大体お前は小さい頃からいつもそうだ。才能があるくせにそれの生かし方をまるで分かっていない。まさに宝の持ち腐れだな」
「‥‥‥」
「そんな事より、ちゃんと食べているのか? 別に心配しているわけじゃないが」
「‥‥‥オリバー」
エドマンド・ブルーは地元では有名な変わり者の少年だった。彼の見た目は少年というより少女のようだった。軽くパーマがかかった明るめのブロンドは、肩に掛かるくらいの長さ。センター分けの前髪は、彼のヘーゼルの瞳と長い睫毛を隠したり覗かせたりするカーテンだ。白い肌はまるで雪のような美しさであった。
少しクサイな。すまない。私は作家になりたかったから、何かに例えたり難しい言い回しをするのが好きなのだ。話を続けよう。
彼は教室でいつも一人で本を読んでいた。誰とも話さず、ニコリとも笑わず。正直なところ心底根が暗い奴なのだろうと思っていた。いや、実際に暗い奴である事は間違いない。何と言ったって、彼とは十年以上の付き合いだからだ。この頃の私は彼と友人になるなんて夢にも思わなかった。人生はジェットコースターのようだとよく言うが、正しくその通りだと実感している。我ながら不本意ではあるが、そのジェットコースターを動かしているのは誰でもない、エドマンドである。
私は彼と違って活発な少年だった。友達も多かったし、運動も出来る方だった。私を取り巻くのはいつだって『陽の連中』ばかりだった。『陽の連中』というのは、所謂充実した人生を送っている人達という意味である。
そんな私が何故エドマンドと仲良くなったかって? それは私も彼と同じ本好きな少年だったからだ。
当時は今ほど文学や芸術が認められている時代ではなかった。女性は家庭を守る者としての教育を受け、男性はたくましくある事を求められ、外へ働きに出て家族を養う者であるべきだという教育を受けた。文学や芸術に携わる者、またはそれを好む者は現実から目を背けている者というレッテルを貼られ、まるで不要物のように扱われた。法で裁かれる事は無いとはいえど、声を大にしてそれらに対する愛を叫ぶ事が出来ない時代だったのだ。
今では信じられない話だろう? しかしながら、そんな時代が本当にあったのだ。
私とエドマンドが育った田舎ではそういった偏見がさらに強く、生き辛さでは他の地方より群を抜いていた。その為私が本好きである事は友人は勿論、家族にもひた隠しにしてきた。だからこそ、人の目を気にせず堂々と孤独に本を読むロボットのようなエドマンドに尊敬の念を抱いていた。彼には絶対に言ってやらないが。
エドマンドが私の事をどう思っているかは分からないが、私は彼を唯一信頼のおける友人だと思っている。
エドマンド・ブルーという少年に出会ったのは、私が小学生の頃である。同じクラスメイトでありながら、彼の声を聞いた事がある者は殆ど居なかった。勿論私もその一人である。
教室の窓際の一番後ろの席が、彼の居場所だった。誰からも忘れ去られた置物のように、彼はそこでいつも本を読んでいた。
クラスメイトからのいじめはなかったものの、下校中彼が同級生に卵を投げつけられるところを見た事がある。顔色一つ変えず言い返す事もせず、どこか遠くを見つめる不思議な少年に、やがて嫌がらせをする者は居なくなった。
彼にとってはレイチェル以外の人間は、どうでも良い存在だったのだろう。レイチェルは彼の幼馴染であり、現在は彼の恋人である。彼女は美しい女性でありながら、男性勝りな精神力と忍耐力を兼ね備えている。エドマンドにはぴったりな女性だと言える。
エドマンドを人知れず観察するという何とも気持ち悪い趣味を持つ少年は、ある日彼に話しかける事を決意する。
「それ、メアリー・ハレの『愛の声』だろう?」
ブロンドの少年はビクッと肩を揺らし私を見る。
「‥‥‥そうだけど」
話しかけずにはいられなかった。メアリー・ハレは知る人ぞ知る女性作家で、著書を通して女性差別に異論を唱え続けた人物である。当時の私は作品にそんなメッセージが隠れているとは全くもって知らなかったわけだが。
『愛の声』は私にとって非常に思い出深い作品だったのだ。
私は母から貰った小遣いを貯めては隣町まで行き本を手に入れるという生活をコソコソと続けていた。しかしながら、厳格な父が一度だけ本を買い与えてくれた事がある。それが、メアリー・ハレの『愛の声』だったのだ。
「へぇ、それは思い出深い作品だね」
エドマンドの声で我に返った私は、辺りがすっかり暗くなっている事に気が付いた。
「エドマンドってそんな声をしていたんだな」
「オリバーこそ、本好きだなんて驚いたよ」
「俺の名前、知っていたの?」
「同じクラスメイトだもの」
エドマンドはクラスメイトの誰にも興味が無さそうだったため、この言葉には心底驚かされた。
「オリバー、もし良ければ僕の本を何冊か貸そうか?」
「いいの?」
「いいよ。本の話が出来る人なんて君くらいだし」
「君って意外と社交的なんだな」
「どこが。君の方が『陽の人』って感じだよ」
「‥‥‥」
「オリバー?」
「いや、その『陽の人』って言葉、俺も使うから驚いたんだ」
「共通点が多いみたいだね。僕は『陰の人』ってとこだろう?」
「うん」
「遠慮無しだね。でもどちらも人にとって大事な要素だと思うよ。明るい場所ばかりに目を向けていたら、人の痛みは分からないだろうから」
「つまり俺たちが一緒に居れば、最強ってこと?」
「オリバーって恥ずかしい事を言うんだね。そろそろ帰ろう」
冷たいようで優しくて、大人びた言葉を紡ぐエドマンドは私にとって新鮮な存在だった。
その後も私達は変わらず日中は特に会話をしない仲だった。しかしながらクラスメイトが居なくなった放課後の教室には、本好きな二人の少年がそれについて熱く語り合う姿があった。
エドマンドとの時間は、私が私で居られる唯一の時間だったのだ。
中等部に上がってからも、その関係は変わらなかった。私達を繋いでいたのは沢山の本と、そこには分類出来ないほど特別で思い出深い一冊の本だった。
「エド! 聞いてくれ! 隣町の本屋の主人が劇のチケットをくれたんだ。何の劇だと思う?」
興奮した少年は二枚のチケットを友人に見せる。
「‥‥‥メアリー・ハレ『愛の声』だって? 嘘だろう? メアリーの作品の劇が観られるなんて‥‥‥」
普段は表情を変える事のない友人も、この時ばかりは感極まり喜びの感情を爆発させていた。
「本当さ! その本屋の主人の知り合いが小さな劇団をやっているらしくて、興味があったら行ってやってくれってこのチケットをくれたんだよ」
「劇なんて今まで一度も見た事がないよ。ましてやメアリーの作品だなんて。本当にありがとう、オリバー」
「但し一つ問題があるんだ。公演は明日の十二時からでね‥‥‥」
「‥‥‥行かない」
「そう言うと思ったよ。エドは真面目すぎるんだよ、変なところはルーズなくせに」
「学校を休んで行くなんて出来ないよ。大体親や先生にバレたらどうするんだい?」
「そんなのどうとでもなるだろう? たった一日休むくらいどうってことないさ。なぁエド、折角の機会なんだ。一緒に行こう」
「でももし‥‥‥」
「『愛の声』の主人公の言葉を思い出せよ。あの人魚の少女は何と言っていた?」
何度も二人で語り合った名台詞だ。
「”この瞳が、声が、色を失い音を無くしても、そこに私の未来があるのなら迷う事など何もありませんわ”」
「完璧じゃないか。ま、最後に"お父様"を付け忘れているけどね」
私が得意げにそう言うと、エドマンドはどこか安堵した表情で笑みをこぼした。
「オリバーには敵わないな」
当日は天使が空から舞い降りてきそうなくらいの快晴だった。張り切りすぎて開演の一時間前に到着してしまった少年二人はどこか緊張した様子だ。
「エド、俺たちこんな格好で来て良かったのか?」
私はキャメルのブレザージャケットを脱ぎ、自分の肩に掛けた。
「どうだろう。学校に行くという体で家を出たから、着替えの事なんてすっかり忘れていたよ」
「平日の昼間に制服姿の学生がウロついていたら目立つよなぁ」
「地元より人が多くて賑わっているしね。他校の教師に声を掛けられたりしないか心配だな」
「そんな事よりお腹空いたな」
「そんな事って何だよ。まぁ確かに腹ペコだけどさ」
「お金なんて持ってないしな」
「少し潰れてしまっているけどケーキが二切れあるよ」
エドマンドは可愛らしいピンクの包装紙に包まれたそれを鞄からソッと取り出した。それが姿を現した時、甘いチョコレートの香りがふわりと漂った。見た目は‥‥‥お世辞にも良いとは言えない。
「レイチェルが作ってくれたんだよ」
ブロンドの少年は自慢げに話す。
「チョコレートケーキか?」
「ガトーショコラさ。レイチェルの得意な洋菓子なんだ」
「あのレイチェルが菓子作りが趣味なんて知らなかったよ」
いじめっ子を大声で追い払うレイチェルの姿を思い出して、私は少しばかり笑ってしまった。
「意外と女の子らしい一面もあるんだよ。ほら、人って見かけに寄らないだろう?」
「そうだな。エドも意外とよく喋る奴だし」
「オリバーも本好きには到底見えないけどね」
エドマンドの頭を軽く叩いた後、劇場前のベンチでガトーショコラを食べた。親友の好きな人が作ったそれは、見た目こそ悪いものの本当に美味しかった。今でも時々食べたくなる。
「そろそろ時間だな」
劇場の入り口付近に取り付けられた時計を眺める。同時に建物の外観をまじまじと見つめる。正直なところ劇場というのだからある程度は立派な建物を想像していたのだが、私達の真横にあるのは古びた黒色の小屋だった。真っ赤なドアが目印だと本屋の主人から聞いてはいたが‥‥‥なるほど赤いドアを目立たせるには最適な配色センスである。服装の事ばかりに気を取られて気がつかなかったが、怪しさ抜群な劇場である。
エドマンドの様子を見る限り、彼も同じ事を考えているのだろう。
赤いドアがギイッと音を立て開いた。白髭を生やした店主と思われる老人がひょこっと顔を出し、辺りをキョロキョロと見渡した後、金色のドアノブにボードを吊るした。
「ちょっと待ってください! 僕達ここで劇をやると聞いて、見に来た者です。closedってどういう事ですか? まだ開演時間ではありませんよね?」私は思わず声を上げた。
店主は驚いた様子で私達の方へ視線を向ける。
「君達、お客さんだったのかい? 驚いたよ。こんな若いお客さんがいるなんて」
店主の優しい声のトーンに少年二人は安堵した。
「チケットならここに」
「はい、どうもね。君達学生だろう? 学校はサボりかい?」
「‥‥‥はい」
「ほう。君達はメアリーのファンなのかい?」
「はい!」
「はい!」
二人の声が綺麗にハモった。
「メアリーの作品の中でも『愛の声』には特別な思い入れがあるんです。友人と彼の父親を繋いだ作品でもあり、僕と友人を繋げてくれた作品でもあります」
きっぱりと言い切るエドマンドを横目に、私は少し照れ臭くなった。
「それはメアリーも喜ぶだろうね。ところで此処は普段劇場じゃないんだよ。見て分かると思うけれど」
私は申し訳なさそうに「ですよね」と小声で言った。
「夜はバーをやっていて、日が明るいうちは絵の展覧会や職人の販売会の会場として貸し出しているんだよ。劇団に貸し出したのは今日が初めてさ。肩身が狭い芸術家はここで羽を広げるのさ」
「もっと芸術家が才能を披露する場所が増えるといいのだけれど」と店主は付け加えた。
「君達を入れてお客さんは十人くらいかな。冷やかしに来る輩が居ないように、閉店って事にしておこうと思ったんだよ。気付かず申し訳ない」
「いえ、それより学生が入って大丈夫でしょうか。なんというか、怪し‥‥‥いえ大人っぽい雰囲気の外観だなと思いまして」
何とも失礼な少年である。しかしながら、田舎育ちの私達にとってはこの店に入る事自体が大冒険なのだ。疑う心を忘れまいと当時の私は必死だったのである。
「芸術好きに年齢も性別も関係無いさ。それにこれからの時代を創っていくのはキミたち若者なんだから。マリ‥‥‥いや、メアリーもきっと同じ事を言うだろう」
店主の言葉に私とエドマンドの背筋がピンと伸びる。私達が時代を創るなんて到底考えもつかなかった。当然の事だろう。私達は無力で無知なただの子供なのだから。それでもほんの一瞬、好きな本の話を父親とする大人になった自分を想像した。そんな未来が来ればいいのにと。
「どうぞ」
赤い扉がさらに開かれる。地下へと続く階段が少年二人を出迎える。階段の傍に並べられたいくつものキャンドルが二人の道を照らしている。壁には様々なタッチで描かれた絵が飾られている。
「こんなに沢山の絵、初めて見たな」
まるで異空間にいるような感覚だった。エドマンドの様子を伺おうとこっそり振り返ると、私と同じく目を輝かせ飾られた絵を一点一点じっくり見ながら階段を下りていた。
「オリバー、この絵って‥‥‥」
エドマンドが指差す先にあるのは、一頭のイルカと人魚の少女の絵だった。
「‥‥‥メアリーの『愛の声』の挿絵だ!」
驚いた。何故ここにこの絵が飾られているのだろう。
「何でここにこの絵があるんだろう」
私の疑問をそのまま代弁したのはエドマンドだった。
「ファンが描いたのかな」と彼は続けて呟いた。
「‥‥‥メアリー本人だったりして」
「まさかね」
「まさかな」
二人の少年は声をハモらせ、階段をようやく下りきった。
赤い幕が目に飛ぶこむ。舞台は広くこそないものの、二人の少年の心を掴むには十分すぎるものであった。「うわぁ」と声変わりしていないよく似た少年達の声が重なる。
私とエドマンド・ブルーの声だ。
深みのあるグリーンが印象的な木製の長椅子が真ん中の通り道を隔てて左右四列ずつ並べられており、八人程度の観客が各々好きなところに座っている。静かに開演を待つ者、世間話に話を咲かせる者など様々な客がいる。
私とエドマンドは空いている左側の一番後ろの長椅子に腰を下ろした。様々な客がいるとはいえ、当然の事ながら子供は私達だけだった。
ふと視線を感じ、右手に視線を向けた。
通路を挟んで右側の席に座る黒髪の女性がこちらを見ている。年齢は二十代後半くらいだろうか。白のタートルネックが彼女の美しい黒髪をより一層引き立てている。純粋に綺麗な女性だと思った。
緩やかに視線が交わり、私は少し照れくさそうにペコリとお辞儀をした。彼女は優しく微笑んでエドマンドと私を交互に見てお辞儀をし、前へ向き直った。
「綺麗な人だな‥‥‥」と思わず口から心の声が溢れてしまった。
「レイチェルがなんだって?」
「一言もそんな事言ってねぇよ」
エドマンドは何かあるとすぐレイチェルの名前を出す。惚気癖は当時も今も変わっていない。
ビーッという音が鳴り、照明が落とされる。会場は静寂に包まれた。私はゴクリと息を飲む。始まるのだ。本当に始まるのだ。心臓が鼓動を早めて動く。
幕が上がってから下りるまでの時間は、長いようでもあり一瞬のようにも感じられた。幕が下りる瞬間まで私は舞台から目を離すことはなかった。いや、一度だけ。エドマンドの表情を確認した。
「この瞳が、声が、色を失い音を無くしても、そこに私の未来があるのなら迷う事など何もありませんわ、お父様」
人魚の少女が人間に生まれ変わる決意を父親に告げるシーンだ。姉や父親の制止を振り払い、彼女はたった一人で人間の世界で生きていく事を選ぶ。物語はそこで終わる。
メアリーの作品の主人公は決まって女性だった。彼女は社会の中で強くたくましく生きる女性を描きたかったのだろう。当時の私とエドマンドには作品に込められたメッセージを正しく汲み取る事が出来ていなかっただろう。それでもメアリーが綴る言葉には、私とエドマンドを肯定し導いてくれるような‥‥‥そうだな、若者へのエールが込められているように感じられたのだ。
「凄く、凄く、良かった」と、隣にいる親友は呟いた。
「連れてきてくれてありがとう、オリバー」
「こちらこそ」
と、まあ私達の初めての大冒険はそんな感じだったわけである。現在は嫌というほど街中で音楽を聴くことができ、文学も溢れかえっている。逆にヒット作を生むのが難しいくらいだ。私も頭を抱えながら担当作家に留守番電話を入れている。
あの劇を観に行ってから、エドマンドは作家を目指し始めた。
「必ずヒット作を生んで、文学は素晴らしいって事を世に知らしめるんだ!」なんて言っていたかな。
「オリバーも協力してくれ」と言われたのが運のツキで、現在私は彼の担当編集者をしている。私も作家を目指していたが、不思議なものでエドマンドの頼みは断れない性格らしい。エドマンドが作家になり、私が担当編集者になるなんて当時の私には到底想像がつかなかった。まさにジェットコースターのような人生である。勿論筆を折ったわけではない。エドマンドの才能を開花させたいという気持ちの方が強いだけだ。
そういえば会場で右側の席に座っていた黒髪の女性はマリという名前らしい。店主の孫らしく、あの後少しだけ話をした。
「マリとメアリーって何だか似てますね」と私がいうと、
「どうでしょうね」と、店主と顔を見合わせて微笑んでいた。
『愛の声』の挿絵が飾られていた事もはぐらかされたし、何だか不思議な女性だったという事だけは覚えている。あととても綺麗な女性だったという事も。
メアリー・ハレ『愛の声』は、今でも私とエドマンドの中で一番思い出深く大切な作品だ。父親が買ってくれたこの本が私とエドマンドを繋げてくれたように、私もこの本を自分の息子、そして孫にも繋げていきたいと思っている。孫は気が早いかもしれないが。私は本当にそう思っているのだ。
「‥‥‥オリバー‥‥‥オリバー?」
「あぁすまない、昔の事を思い出していたよ」
「そう」
「エドは何で作家になったんだ?」
「レイチェルが喜ぶからさ。それだけだよ」
「へぇ」
「本当だよ」
「はいはい。それで次の打ち合わせはいつにするんだ? そもそもお前は留守電を聴いているのか?毎日毎日電話をかけるこっちの身にもなってくれよ」
「そんな事よりレイチェルとガトーショコラを焼いたんだけど、食べに来ないかい?」
「お前なぁ、」
「来ないのかい?」
「行くよ、書類渡すついでに」
「じゃあ、」
「またあとで」
「またあとでな」
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