驚天動地の呪い⑭
※※※
「グッ……!? さすがは小紋殿だ。少しの間の監獄生活の中でも、日々の修練は怠ってはおらなかったようだな!!」
ひっきりなしのチャクラム連続攻撃を、無駄のない動きで身をかわす小紋に半ば呆れ、半ば感心するデュバラである。
「デュバラさんの方こそ、技のキレが以前にも増して……!!」
模擬戦とはいうものの、その投擲力の迅速さと正確さに肝を冷やす小紋。
この時、デュバラ・デフーは確信していた。
(間違いない。小紋殿の〝三心映操の法術〟は、以前よりも確実に進化している……)
彼の言う〝三心映操の法術〟とは、言わば空間認識の先読み能力である。
空間認識の先読みとなれば、それを一般的には〝超能力〟という、なんとも非科学的な言葉でひとかたまりに定義してしまいがちである。
だが、彼ら
(人間も動物も植物も、この世に生きとし生けるもの全てが、ある法則性に従って物事が動いているという。我々の暗殺技術が、その対象との相対的な駆け引きにより、より高度に支配な立場に転換させてしまうことが目的であることに対し、あの三心映操の法術は人間のみならず、その空間までをも読み取って支配してしまう能力なのだ。これは正に、一時的な神の領域の法則なのだ……)
というわけである。
つまり、三心映操の法術を会得した者とは、本能的に空間認識をすると同時に、その後に起こる未来予測が瞬時に計算されている状態なのである。
「相変わらず脱帽するしか御座らんな。その小紋殿の能力には……」
デュバラは動きを止め、ハーッとため息を吐きにやりと笑う。
「そんなとこないよう。だって、こんなことが出来たって、非力な僕では、デュバラさんみたいな人に対抗できないし……」
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