偽りのシステム150
エスタロッサは震えていた。追手のヴェロンが怖いからではない。背中に負った鬼神の如き男の迫力に身震いを起こしたのだ。
(な、なるほど、そういうことなのですね……。現時点で史上最強とまで
この時彼女は、まるで全身が痺れているような感覚を覚えている。それは、自由を奪われた麻痺感覚の痺れではない。どこか、生物本来の血沸き肉躍るような感覚である。
「分かりました、羽間正太郎。私、生き延びたいです。だから、あなたのタイミングでおっしゃって下さい。急旋回の合図を……」
「了解した、セリーヌちゃん。恩に着るぜ」
「でも、そんな口を叩いて、旋回時の衝撃で気を失わないで下さいね。それじゃ、本当に自殺しに行くようなものですから」
「へへっ、なかなか言うようになったじゃねえの、キミも。分かったよ、そこは俺を信じてくれ。これはどっちが欠けても上手くいかねえ命懸けの行為だ。生まれて初めての、キミと俺との共同作業ってなわけだ」
「う、生まれて初めての共同作業……」
「そうさ、今から俺たちは一心同体だ!! さあいくぞ!! 一、二のさん!!」
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