偽りのシステム㊷
「いや、エナ。それが道理なのさ。ところ変われば品変わるってな。昔から馬鹿と
正太郎は、己自身と戦った
「それがあなたの答えなのね?」
「そうだ。確かに俺ァ、若い時分には才能だとか運命だとか、そういったモノを後ろ盾にして根拠のない自信を勝手に思い込んで生きてきたところがある。まあ、若い時ァ、何も積み上げてきたものがねえから、そうやって思い込んでねえとやって来られなかったことは認めざるを得ねえ。だがよ、実際にこの世界の生きるか死ぬかって場面に何度も遭遇してみると、そんなこたァ、たった一ミリ程度の要素でしかねえことが分かるんだよ。確かにお前ほどの突飛出た天才少女なら別ってもんだが、俺たち凡百な連中は、必死こいて何かをやり続けなくちゃ身体も頭脳もすぐ衰えちまう。それが俺たち
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