浮遊戦艦の中で72
戦闘をすればするほど、統計的にこちら側の被害は大きくなる一方で、さらに彼らの回避能力は目を見張るほど高くなっている。
さらに言えば、あのデュバラ・デフーが地球上で初めて
それだけ
「これで、暗礁ミサイルの効果が薄れていくようだったら、僕らも戦闘の在り方を根本から考え直さなきゃいけないよう……」
小紋が焦燥に満ちた表情で言葉を言い終えた時、
「ナルコザワリーダー。ソロソロ、我ガ組織ノ、奪還チームガ突入ヲ開始スル時間デス――」
人工知能疾風が、慌てふためくでもなく動揺を見せるでもなく、当初の作戦通りの時刻を告げる。
「分かったよ! もう少しで奪還チームの突入の時間だね。……だけど、このままじゃ、相手戦艦の突入口を見つけるどころか、相手に張り付く事さえ出来ないよ……。南雲部隊を猫じゃらしにされちゃったから!!」
もうこうなれば、小紋が自ら浮遊戦艦に張り付くしか手立てがないのだ。
その時である。
「ナルコザワリーダー。ココカラ西方、七十五度の地点ヨリ、高速接近スル機影ヲ確認――」
「なんだって!? それはどういう!?」
「飛来スル機影二確認シタトコロ、同朋ノ意思ヲ示ス、シグナルヲ受信――。照会二ヨリ、航空自衛隊蓼科山岳基地所属部隊ノ援軍ト判明シマシタ――」
「蓼科山岳基地!? ということは、三島連隊所属のフェイズファイター部隊!?」
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