神々の旗印155
「どうやらアンタ、ようやく俺の正体が分かったようだね」
少年は、正太郎同様、口角をこれでもかというぐらい上げて不敵な笑みを浮かべた。
「ああ、分かるぜ。そういう現実離れした攻撃を仕掛けて来るなんざ、まさにてめえしか居ねえだろうが。なあ、クロヅカ二等兵さんよ」
正太郎は言いつつ、そこでレーザーソードのスイッチを入れて全開にさせる。
「さすがはヴェルデムンドの背骨折りとまで言われた男だね、羽間少佐。この俺の本当の姿を見たことも無いのに、俺の正体をまるで見たことがあるかのように当てちゃうなんてさ」
「本当の姿だと? 笑わせるな! お前は、その羽根と角の生えた姿がお前の本来の姿だとでも言うのか? そんなファンタジーで現実度外視な離れ業が、お前の本来の力だとでも言えるのか?」
「何とでも言いなよ、羽間少佐。こうやってアンタが吹き飛ばされたってことは、それもれっきとした現実だってことなんだよ!! アンタにとやかく口出しされる覚えは無いね!!」
「見損なったぜ、黒塚勇斗!! お前ほどの
「ああっ? 笑わせてくれるよ、この老いぼれの分際で!! アンタみたいに、俺は自然派だとか何だとかを気取るつもりも無ければ、そんなことにこだわるつもりも更々ないね。要は、手っ取り早く強くなればいい。要は、最初から強く生まれ出て来ればいい。それだけの事なんだよ! それをああだのこうだのと、好き勝手に御託を並べて阻害する行為は悪でしかない。個人の自由を奪う略奪行為でしかない!! アンタはそんな弱い者から沢山の夢を奪って、地獄のどん底に堕とした大罪人なんだよ!!」
「だからてめえはその力を手に入れたのか? この有象無象の餓鬼が集ったその腐った世界で……」
「そうだよ!! 俺はねえ、少佐!! 好きな女すら守れなかったこの現実が大嫌いなんだよ!! どうもがいてもあがいても、アンタみたいに好き勝手で傲慢に生きられないこの自分自身が大嫌いだったんだよ!!」
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