神々の旗印119

「本当に何を言っているの? こうやって聞いていると、キミたちはただ自分に都合の良い世界を与えられるのを待ち望んでいるだけじゃないか! ただ誰かに与えられる事だけを待ち望んでいただけじゃないか!!」

「エエイ! 機械ガ憶測デ物事ヲ語ルナ! 本当ニ生意気ナ人工物メ!! オマエノヨウナ、生マレモッテ秀イデタル機械ニナドニ、我々ノ気持チナド絶対ニ分カルハズガナイ! 絶対ニ理解シ合ウナド事ナド出来ルハズガナイ!!」

「いいや、出来るさ!! オイラには凄く分かるよ! だって、オイラは兄貴の唯一無二の相棒なんだもの! オイラは、羽間正太郎という生身の体で頑張って来た人と旅をして来た人工知能なんだもの! 確かにね、兄貴はキミたちの言う通りどこか特別な所があるのかもしれない。でもね、兄貴は実際に死に物狂いに戦って来たんだ! お師匠のゲネック先生の厳しい訓練にも耐えて来たんだ! そしてね、何より兄貴は、沢山の人達のためにその身を削って生きて来たんだ!! キミたちのように、ただ自分で何もせずに他人のせいにするだけの卑怯者なんかとは違うよ!!」

「ナニヲ!! カサネガサネ身ノ程知ラズナ機械頭メ!! 我々、人間様ニ向カッテ、卑怯者呼バワリヲスルトハ、言語道断ダ!! オマエモ、ソノ男ノヨウニ、一切ノ能力ヲ遮断シ、我々以上ノ地獄ヲ、味ワウガイイ!!」

 言うや、赤いフェイズウォーカーの集団は、その異様な眼差しを一斉に烈風七型の頭部に集中させた。すると、烈風七型の漆黒に染められた頭部の色が、次第にどす黒い赤みを帯びた色に変化する。

「我々ノ目的。ソレハ、世界ノ大終末。ソシテ、ソノ滅亡カラ生マレ出ル新タナル幸セニ満チタ世界……」

 

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