詩のことⅥ

 長年詩を書いていますが、文学的なことに関しては不勉強な私。

 コンクリート・ポエトリー、新國誠一氏を教えて頂いて、調べました。

 古くからあったようですが、主に1960年代に世界的に起こった詩の前衛的実験活動で、言葉の意味を排除し、形式形態にこだわった詩、記号の意味の解放を目的とした具体詩、象形詩、視覚詩、音声詩などの実験的な作品を制作した新國誠一氏が日本における第一人者とありました。


 あ、見たことあるな。と、思い出しました。

 文章や言葉といった読んで理解する作品ではなく、漢字を絵画のように配置した視覚的に観じる、まさに観じる詩。ピン、と閃いて、ゆらゆらに『飛翔』という詩を書きました。


 実は。若い頃はこの前衛的な詩作は好きではありませんでした。だから記憶からすっかり消えていたのです。

 観じるという精神的な余裕も何も無かったので、記号化した漢字が描き出す世界を観じるなど、私には難しすぎたのです。

 頭が固かったんだなぁ。


 今も、私は言葉を崩したりするのは苦手で、視覚的実験をしている割には、コンクリート・ポエトリーまでの斬新な手法には踏み切れません。

 『飛翔』の翔という漢字を鳥に見立てて羽ばたかせた形。このコンクリート・ポエトリーだけでは、伝えきれない私の技量と狭量さを補う為にある、左側の詩。

 コンクリート・ポエトリー擬きな宙ぶらりんな詩作ですが、これが私には合うようです。


 気付きを下さった、湿原工房さま。

 ありがとうございます。御名前を勝手に出してすみません。


 新國誠一氏の言葉が、とても心に響いたので一部引用します。

「詩の高度な言語活動は、生の秘密と切り離せないところにあるのです。意識の粒子にエネルギーを与え、光のように五体を刺し貫くものこそ詩の本質です。それは感動というより、錯乱であり、閃光です。詩は人間の可能性そのものです。」


 

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