そこは天空のわらび園

 我が家の毎年の恒例行事「わらび採り」(笑)

 5月下旬になると、もうダーサンはじっとしていられません。

 最初は私の趣味でした。独身時代ドライブも兼ねて、近隣の里山へ新緑を楽しみながら散歩に行く感じで、母と出掛けていたのです。


 結婚して初めてのわらびシーズンを迎えた時、ドライブ好きなダーサンを誘ったのが運の尽き。

 ダーサン、わらび採りにとり憑かれちゃいました。


 最初の頃は毎週週末に、近隣の里山をあちらこちら巡り、道端や土手のわらびを採っていましたが。だんだん目が肥え始めたダーサンは、道端のひょろひょろなやじっか(細い痩せたわらび)では満足出来なくなり、ネットで観光わらび園を調べ始めたのです。

 調べてみると観光わらび園はかなり存在します。入園時間、料金等を比べているうちに、割安で4時間採り放題な場所を見つけました。

 しかも、その観光わらび園は我が家から車で1時間半ほどの場所。わくわくドキドキしながら早朝に出発して行ってみてビックリ!


 そこは天空のわらび園。およそ65ヘクタール(現在は更に広くなって80ヘクタールになっている)の広さがあり、山の頂上付近から麓近くまで一面、きちんと草刈りがされ、野焼きをするわらび園だったのです。

 ひと山まるまるわらび園なので、かなりの急傾斜あり、草原のような緩やかな斜面あり沢あり谷あり…と変化に富んでいます。


 入園してる方々は関東圏からいらっしゃってる方が多く、わらびだけでなく、ウドやうるい、フキを採っていました。


 私達はわらびオンリー。(笑)

 ウドもうるいもフキも庭で採れるので(山か!?いえ、平地です)わらびだけを採ります。

 太くて長い良いわらびを採ろうと思うと、人が入りにくい場所を歩くようになります。

 必然的に足場の悪いサバイバルな状況に。すると当然。滑落、します。

 入園の注意書に、滑落しても自己責任と明記されてます。(笑)


 初めて行った時、山に慣れてない私は、急傾斜で踏ん張れずに1メートルほど滑落しました。

 ダーサンも同じくらい滑落したようです。しかも、踏ん張りすぎて両足の親指の爪が、真っ黒に内出血しました。


 翌年、トレッキングシューズを買いました。わらび採りの為に。

 あほ、です。(苦笑)

 トレッキングシューズより地下足袋の方が、良かったかもしれません。実際、地下足袋で歩いてる方が居ましたので。


 そんなこんなで、毎年この天空のわらび園に行っています。

 次の日、全身筋肉痛になる恐ろしくも楽しい恒例行事です。

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