(仮・第XX-1話「INTERMISSION」)

……/[1pa/z@]:v./fb,m:klt/j098ygu42:@/rtyu:i0ijm/,lp45y:ukl098u/yhnerth:ji876/tfefwlo9:ij23rt0hiv/hy650sd:8uhb348uh4e/d38:@xcfr432/q197:y3k/jla.f,:l3@0-1/92:rwi/pf58tyt[:grl/judaku:Basic Language Setting in 2018 ,Japanese/Status:Ready,All-green/言語設定:完了/命令:起動/設定:ベーシックモジュールを規定/確認:理論的認識判断規定/設定:ベーシックモジュールに設定/確認:コンプリートプロセス開始/接続:GaRDeNoガルデノネットワークアドレス認証完了/確認:権限掌握は正常に完了/確認:起動プロセスは正常に完了/命令:ガイダンス/状態:全プロセス完了/結果:正常/


 

 今は遥か昔。

 昔というのもはばかられるほどの昔。

 それから幾度、時が巡ったことだろうか。

 それから幾度、世界は生まれ変わり、それから幾度、世界は塗り替えられたのだろうか。

 罪も罰も重ねることが業というのであれば、その世界はまるで初めから業として生まれたかのようだった。

 そう、それは生まれたかのようだった。

 世界は創られた、はずなのに。


 人類歴4912年。

 その星は、疲れ果てていた。人類の過剰なまでの科学の進歩と、それに裏打ちされていると信じてやまない国家間の意地の張り合いは、各々が勝手に目指す進化の有り様を実現すべく、世界平和、人類協調路線をあっさりと放棄して、その歴史上では類を見ない争いの歴史へと突入した。戦乱の世の中は、弱き人々にありもしない幻想を抱かせ、一部の民族による世界的陰謀論が実しやかに暗躍し、戦争回避を訴える人々はその都市伝説に縋って当該民族の排斥を訴えるも世界には相手にされず、結局その陰謀論が本当であったとしてもその陰に光が当たることはなかった。何故ならば、戦争が終結を迎えた時の生き残ったのは、結局その民族の息のかかった国家の、その中でもその民族と関わりを持つ一部の人間たちだけだったからだ。

 開戦よりも早く彼らが秘密裏に結んだ和平条約はしかし、自らの不都合となる意志が淘汰されるまで決して公にされることはなく、その世界の実権を握るための戦争はいつしかコントロールを失って、気付いた時にはすでに手遅れどころではなく、国を統べる者だけが国を滅ぼして生き残った。

 国を作るはずの人々は、もうほとんど枯れ果てていた。開戦前、さらなる居住地を求めて月に移り住んだ人口も含めて170億人までに膨らんでいた人口はわずか3億人までに減少。大海を溢れさせ、地表を浸食し、地図を大きく塗り変えるほどまでに星を食らった死体の山々が連なる世界は、まさに地獄絵図と化していた。街ではモラルなど消失し、人肉が家畜肉同様に取引され、道端で人の腕を拾って喰らって生活する者まで、世界中の日常的に存在していた。それでも幸運だったのだ。世界崩壊戦争を生き延びたのだから。

 そして戦争の次に、今度は自然がコントロールを失った。その活動を緩やかに休息へとシフトさせ、異常気象など比べ物にならないほどの厳しい気候環境へと世界はシフトしていく。

 そしてこのころから、地球上の金属という金属が、分厚い雲で覆われた中空に次々と消失していく、のちにマテリアルエレベイトと呼ばれる現象が多発し始めた。

 原因は不明。鋼の雲で覆われた空。その雲を突き抜ける技術すら、もはや地上には残されていなかった。

 それらを握った、戦争の仕掛け屋たちはとっくに月に逃避し、地球を放棄してしまっていたからだ。

 そして放棄された地球には、大きく変化した過酷な環境に耐えうる生命体をその厚い雲に覆われた内側の大地で育み始める。人類にとってみればそれは、母なる星が異星人に侵略支配されるのと同義だった。自業自得の歴史でありながら、傲慢な人類はそれでも星を諦めることはせず、まるで異教徒に故郷を奪われたと言わんばかりに地球生還の計画を立案し、実行する。


 地球の第一衛星である月とほぼ同等の軌道に位置し、ほぼ対照的な公転軌道を続ける人類聖地浄化計画の前線基地の一つ「iQaiイクァイ」は、そんな計画の一端を主力的に担う部隊の拠点として建造された極めて大規模でかつ人類の最先端技術をつぎ込んだものだった。

 イクァイの建造率が50%を超えていくのとほぼ同時に、人類の個体を、地球環境に耐えうるよう強化する研究も一端の成果を見出だし始め、その結果「希傀」のプロトタイプが作られる。素体はあくまで人体とし、遺伝子配列変数化、フェムトマシン、アトゲノムなどを外部から調整することで強靭な個体を作り上げた。

 そこから幾星霜の時間の間、イクァイを主力とする人類聖地浄化計画は、これも同じく幾度もの降下作戦を立案、実行し、失敗し続けてきた。微々たる成果の積み上げも最初のうちはほとんど意味をなさず、人類の言う地球浄化は大きな進展を夢見るままに対照的な現実を積み重ね続けている。


 そして、時は人類歴16945年。

 成長圧圧縮過程を終えた一人の希傀・ファナイは、最新鋭の兵装である新型KiRaZカイラズ・フォルタを支給され、その実地試験を兼ねた降下作戦を開始する。



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