2-6

 夜はスーパーの床で寝た。


 月選つくえり大橋を渡ったところにある「スーパーあおば」はこのあたりで一番大きな商店だ。


 店の中は野菜や果物が腐って甘酸っぱい匂いがした。


 夕食はコンビーフとビスケットにした。はじめて食べるコンビーフは味つけが好みではなかったので、マヨネーズと七味をかけて食べた。足元にこぼれた七味の粉を蹴って散らす。食後に口が重たく感じられたので、オレンジのゼリーを取って食べる。常温だと甘みが濃い。


 幼い頃、横山台よこやまだい市のおもちゃ屋に行き、店のすべてを自分のものにしたいと思った。いま、スーパーの商品を何でも自由にできるが、何の達成感もない。こんなのは火事場泥棒といっしょだ。


 がいの一隊を全滅させても達成感はなかった。失ったものが多すぎる。


 爆発に巻きこまれたしゅうすけは体の一部すら見つからなかった。みもりの亡骸なきがらは近くの家の庭に埋めた。やりを地面に突き刺し爆発させると、ちょうどいい穴が掘れた。


 彼女の体に土をかけるたび、罪の意識がつのった。なぜ彼女を目の届かぬところへ置こうとするのか。地上で腐敗していく様を見届ければいいのに。彼女の死に責任を感じるなら、その死の過程を一生忘れられなくなるくらいくっきりと目に焼きつければいいのに。


 そうの手は濡れた土で冷えた。爪の間に土が黒く詰まって圧迫される。川で洗ってもそのきゅうくつな感触は消えなかった。


 朝起きると、熱があった。駅前の薬局から盗んできた薬をかじる。用法用量を守れと文句をいう者もない。


 ペットボトルの水をポケットに入れて店を出た。行く先は決まっている。


 魔骸の行動パターンについて考えてみた。奴らは午後になると谷の奥からやってくる。ということは、距離的に見て山の中に根拠地があるのではないだろうか。


 ひとりで乗りこむのは危険すぎる。だがいま蒼は空っぽだ。「怖い」という感情もない。


 昨日の戦場をとおる。魔骸の死体はそのままだ。晴天の下、腐敗した肉と血が黒い。どこからいたのか、蠅が飛びまわっていた。


 家に帰ってバックパックを背負う。中身は行動食と水筒と寝袋、シェルターだ。


 いつもの登山口に入る。民家の庭先で赤いサンダルが片方裏返って落ちている。


 ひさびさの山道は体にこたえた。殺しあいで持久力は身につかないようだ。息はあがり太腿ふとももの筋肉は張るが、爽快そうかいだった。待ち伏せなどよりずっとしょうに合っている。


 九十九つづら折りになった山道の、折り目に当たるところで小休憩を取った。腰をおろすとかえってこのあときつくなるので、立ったまま水を飲み、チョコレートをかじる。


 杉の木が伐採されて展望台のようになっていた。遠くに富士山の青い山容が望める。


 こんな光景をみもりは知っていただろうかと考える。山に登らない人は登山のことをただの苦行だと思っている。確かに決して楽なものではないが、その中に他では見られない美しい瞬間が存在する。それを彼女に話せばよかった。そのことなら蒼は自信を持って語ることができた。彼女が看護師になるという夢を語るときのように。


 日差しが強かった。蒼はひたいにじむ汗を拭ってふたたび歩きだした。


 すこし行くと、道がぬかるんでいた。最近雨の日があっただろうかと考えながら避けてとおる。


 道端にドラム缶がふたつ転がっていた。外側に浮いたさびは血の染みのようだ。


 ぬかるみはそこからはじまって道の上にひろがっている。ドラム缶の中にはまだ水が残っていた。


 いつもこの場所にあった防火用水だ。誰がこんなことをしたのだろう。


 蒼はすこしの間立ちどまってドラム缶を観察していたが、先へ進むことにした。


 やはり気になってドラム缶を見返り、前に向きなおったときだった。


 目の前が真っ赤になった。


 とがったもので眼球を刺されたようだった。痛みと驚きでその場にうずくまる。まぶたの裏にも赤が焼きついて消えない。涙のこぼれるその隙間からも赤い光は差しこんでくる。


「クソッ……何だこれ」


 彼は地面を転がって道の外に出た。谷側に行ってしまい、斜面を滑りおちそうになる。草をつかんで何とか体を止めた。


 深呼吸をする。土の匂いが近い。なぜだかえきが舌の脇に溜まる。


 うつぶせのまま体をさぐった。痛むところはどこもない。光にやられた目だけがまだしくしくする。魔骸の攻撃ではなかったのだろうか。


 蒼はゆっくりと目を開け、元いた道の方を見た。


 赤い光の球があった。


 救急車や駐在所の赤色灯とちがって回転していない。彼の身長と同じくらいの高さに浮いている。風が吹くが、揺れもしない。


 直視しているとまた目が痛くなる。彼は手を顔の前にかざした。


 光の球が浮上していく。杉の木を越え、空高く舞いあがった。風に舞いあげられたのではない。機械的な動きだ。


 あれはいったい何なのだろう――蒼は光を見あげながら考えた。目くらましでないとしたら、あの強い光には何の意味があるのか。近かったから彼は目をやられた。もしも遠かったならば――


 遠くの方からキーンと耳障みみざわりな音が聞こえてきた。巨大な掃除機をかけているような音だった。


 これには聞きおぼえがある。つい昨日のことだ。


 音が近づいてくる。蒼はっていってやぶの中に身を隠した。


 音がさらに近づく。彼は思いついてドライフルーツを取りだし、かじった。これから何がはじまるのかはわかっている。はじまったら次にいつ栄養補給できるかわからない。


 騒音の主はやはり魔骸だった。例の木馬に乗ったのが2体、山道をくだってきて蒼の目の前で止まった。木馬の底部から噴きでる熱風がつちぼこりを巻きあげ、彼の顔を火照ほてらせる。


 魔骸のよろいが赤と青に光る。空の光球がゆっくりとおりてきた。魔骸の手の中に収まるところを見ると、光はすでに消え、黒い球と化していた。大きさはピンポン玉ほどで、案外小さい。


 蒼は右腕を体に沿わして伸ばし、槍を出した。音はない。敵は藪の中に気づいていない様子だ。


 魔骸は2体とも木馬から降りた。きょろきょろとあたりを見まわす。蒼の顔のすぐ前に魔骸の足があった。肉食恐竜のそれのようにつま先で立っている。


 蒼は藪から飛びだし、槍でりつけた。魔骸の膝から下が飛ぶ。崩れおちるところに突きを食らわせ、爆砕した。


 すぐに新しい槍を生成する。もう1体の魔骸に斬りかかったが、かわされた。


 魔骸は木馬に飛び乗って山道をくだっていく。そのまま逃げるのかと思いきや、Uターンして向かってきた。


 蒼は道の真ん中に立ち、槍を構えた。正面からぶつかりあうことを覚悟する。やることがシンプルでいい。


 魔骸はつちぼこりを立てて突進してくる。蒼の頭の中には攻撃のイメージができあがっていた――カウンターで突きを食らわせる。相手の運動エネルギーのために通常よりも威力が増すはずだ。


 木馬の上の魔骸は光る棒を取りだした。地面と水平に構え、つっこんでくる。


 迫ってくると、思いのほか速い。蒼の心に迷いが生じた。


 魔骸が棒を振りあげた。蒼は攻撃の成功するイメージを描けなくなった。とっさに槍で頭をかばう。そこに棒が振りおろされた。


 衝撃で右腕がしびれる。脚が崩れて彼は尻餅をついた。


 魔骸は山道をのぼり、木馬をUターンさせてまた向かってくる。


 蒼の槍は健在だったが、心が折れていた。あのスピード、あの威力――食らえば死ぬ。それをかいくぐって相手にダメージを与えられる自信がない。


 襲いかかる木馬を彼は横っ跳びでかわした。敵と向かいあうのが恐ろしかった。


 魔骸はUターンしてもどってくる。


 脩介の弾丸があればと考える。近接武器で乗り物に乗った敵は倒せない。飛び道具がなければとても――


 蒼は唇をんだ。また自分に限界を設けてしまっている。信じ、願った結果、左手にも槍を出すことができた。自分に飛び道具が使えないとどうして決めつけるのか。


 自分の力はそこまでだと決めつけたとき、本当に力はになってしまう。


 信じ、願いつづければ、力は夢へとつながっていく。


 魔骸を皆殺しにするという夢――脩介とみもりが信じ、願ったために蒼はいまここにいる。ふたりはたおれたが、その夢は蒼の中で息づいている。


 不可能など信じない。


 彼は左手を天に突きあげた。ひろげたてのひらに意識を集中させる。槍が腕に付着するものと決めつけてはいけない。信じれば、どこにだって生成することが可能だ。


 掌の皮が引きつる。おなじみの感覚だ。そのひとつ先へ、と願う。頭の中に槍の像が結ばれて、鋭く虚空に浮かぶ。


 重みが掌にかかった。彼はそれを握りこむ。


 槍は確かにあった。青空を横切って長い。赤と青の光が明滅する。病から得た力だ。


 魔骸の木馬が駆けてくる。それに向かって蒼は走りだした。ぬかるむ土を蹴る。握った槍を肩の上に構え、耳のあたりに引きつける。


 槍投げをやったことはないが、見たことはある。いま手にしている槍は競技用のものなどよりずっと鋭い。地面に突きたてるためのものではなく、敵をつらぬくためのものだからだ。


 蒼はたけびとともに投擲とうてきした。つんのめって泥に手を突いてしまう。


 槍はまっすぐ飛び、魔骸の胸に突き刺さった。がくんと頭が揺れ、木馬から転げおちる。


 操縦手を失って身軽になった木馬が浮きあがり、飛んでくる。蒼はぬかるみに身を投げだしてそれをかわした。木馬が発する熱風を毛髪の先に感じた気がした。一度地面でバウンドした木馬は木にぶつかって潰れた。


 魔骸は仰向けで倒れていた。胸板に槍が突き立っている。その様は簡素な墓標のようだ。投げるための槍は、腕と一体化するものとはちがって細く長い。の部分が赤と青に光り、不規則に点滅する。何かを訴えかけているみたいだと蒼は思った。


 とどめを刺そうと近づく。魔骸はその大きく裂けた口からどろりと血を吐いた。蒼は足を止めた。槍を爆発させたら血が飛びちりそうだ。服はもう泥まみれで、いまさら汚れを嫌っても仕方ないが、血の汚れというのはやはりあまりいい気がしない。


 そんなことを考えていたために油断が生じた。相手のおかしな動きに一瞬反応が遅れる。


 魔骸が太い腕を振る。手の中に握りこまれていた何かが地面で跳ねた。赤い光が炸裂する。蒼の目に痛みが走った。


「またかよクソッ」


 今度の光球はすぐに空高くのぼっていった。蒼はしくしくする目をこすりながら地面の魔骸に視線を落とした。


「なるほどな。最後の力を振りしぼって仲間にしらせたわけだ。立派だな」


 魔骸は天を見あげていた。呼吸が荒い。胸が激しく上下する。


「でもそんな大事おおごとにしなくたっていいだろ。俺はひとりだ。仲間を呼んだりしない。おまえらに仲間を殺されたからな。家族も同級生も近所の人も、みんな殺された。おまえらの方が有利なんだ。だからまあ、のんびりやろうぜ。俺はいつでもやってやる」


 槍がぜた。魔骸の胸が弾け、仕掛け花火のように血や肉片が噴きあがる。シューズのアッパーにまつがつく。


 光球が空で点滅している。「この下に恐ろしい敵がいる」と警告しているのだ。その生真面目な働きぶりに笑みがこぼれる。


 蒼はパンツのポケットをさぐった。チョコバーを取りだしてかじり、水を飲む。


 疲れはない。いまの戦いをふりかえることもない。心も体も、まだ戦いが終わっていないことを知っている。


 あの耳障りな音が聞こえてきた。


 魔骸が5体、3台の木馬に分乗して山をおりてくる。


 蒼は右腕の槍を爆破して消した。同じ手に投槍を生成する。握った感じがしっくりくるのは自分の体で生みだしているからだろうか。


 槍を構える。どこまでも飛ばせそうな気がする。


 先頭の者に狙いを定めた。木馬のハンドルを握る魔骸は身を低くして加速してくる。


 その肩越しに後部座席の魔骸が顔を出した。はっとして蒼は道の外に飛びだした。草叢くさむらの中に倒れ伏す。背後で爆発音がした。土くれが降りかかってくる。犬を殺した魔骸の銃だ。


 尾根おねみち沸騰ふっとうする。長い年月をかけて踏みかためられた土がめくれあがり、飛びちった。魔骸は木馬の上から銃を乱射する。あたりに焦げた臭いが立ちこめた。


 蒼は斜面をすこしおりて木の陰に隠れた。いくら投げ槍でもあの爆発する弾丸と正面切っては戦えない。


 木馬が彼の前をとおりすぎていく。最後尾の魔骸が黒い球を放ってきた。またあの赤い光かと彼は身構える。


 だがちがう。もっと以前に見たものだ。


 黒い球は彼の隠れる木の幹に当たって跳ねかえった。


 彼は身をひるがして斜面を駆けおりはじめた。


 うしろからひっぱられる。髪の毛が逆立つ。足を動かしても前に進まない。胸が潰れて息が詰まる。


 空間が一点に吸いこまれていくようだ。あのときと同じ――脩介が建物ごと吸いこまれ弾けとんだあのときと。


 今度はうしろから突きとばされるような感覚があった。爆風に蒼の体は浮きあがった。足掻あがいても地面に触れない。


 バランスを崩し、腰から落ちた。斜面を滑りおちる。角度が急でほとんど垂直に見える。杉の枯葉と土が彼の体を押しながしていく。みるみる加速していって、手足をばたつかせても止められない。とうした岩に体をぶつけて蒼はうめいた。それでもスピードが落ちない。


 滑落かつらくを止める方法は以前本で読んだ。だが雪山に行くつもりもなかったので身につきはしなかった。


 足を先にして滑っている。そのため、進路に何があるかすっかり見ることができた。先の方で地面が途切れている。その向こうには何もない。虚空だ。がけ――どれほどの高さなのか。


 何とかして止めなくては。このまま崖下にダイブするのはごめんだ。


 蒼はひっくりかえって俯せの姿勢になった。跳ねあがる砂粒が顔に当たる。ジャケットのジッパーが胸に食いこんで痛い。


 地面に手を押しあてるが、崩れるばかりで速度はいっこうにゆるまなかった。爪を立てても効き目がない。


 ふいに脚が何にも触れなくなった。


 体が真下にひっぱられる。斜面が終わったのだ。


 とっさに崖っぷちの草をつかんだ。一度宙に投げだされた体が振り子のように振られて、垂直に切りたつ岩の壁にぶつかる。


 蒼は右手一本でぶらさがっていた。


 下を見ると、高校の屋上からグラウンドを見おろすのより高い。谷の底で渓流が白く沸きたっている。岸の岩々がとげとげしい。あのまま落ちていたら命が危なかった。


 崖のへりに手をかけて体を引きあげようとしたとき、またあの耳障りな音が聞こえてきた。恐る恐る顔を出し、ついさっき滑りおちてきた斜面を見る。


 3台の木馬がまっすぐにやってきていた。後部座席から銃が向けられる。


 目の前の地面が弾けとんだ。熱風と土を顔に浴びる。思わず蒼は手を離してしまった。


 宙に投げだされたとわかったとき、体が凍りついた。手足をばたつかせることもできない。


 一方で、頭の中はすごい勢いで回転していた。回転はするが、空まわりだ。すべての思考は冷酷な現実の前で立ち往生してしまう――つかまるものは何もない。もう落ちていくしかない。


 上方に流れさる岩肌の模様を見ていると頭が空っぽになった。そこにひとつのひらめきが痛みにも似た鋭さで差しこんでくる。


 つかまるものがないとどうして決めつけるのか。


 ないなら作ればいい。


 信じ、願えばそれができる。


「うおおおおおっ」


 蒼は右腕に槍を生成し、崖に突きたてた。槍が岩をわずかに斬り裂き、落下が止まる。ひじと肩の関節が無理な方向に曲がって痛んだ。


 岩の凹凸おうとつに手と足をかける。下を見ると地面までまだ4、5メートルあった。角ばった岩がごろごろしていて着地しづらそうだ。


 飛びおりるにしろ伝いおりるにしろ、まずは刺さった槍をはずさなければならない。蒼は足の裏を岩肌につけ、引きぬきにかかった。


 意外に深く刺さったのか、びくともしない。頭から落下する恐れはあったが、背中を反らして思いきり力をこめた。


 膝に小石が当たった。もうひとつ、上から転がりおちてくる。ぱらぱらと砂粒が体に降りかかる。蒼は崖の上に目をやった。


 魔骸の顔がのぞいていた。5つの顔が崖の縁に並び、彼を見おろす。声は出さないが、こちらを指差し、笑っているようだった。


 真上にいる1体が銃を彼に向ける。


 彼は下を見て、槍を見た。


「ああクソ……やるしかないか……」


 、と念じる。


 槍が爆発した。


 右腕が自由になる。爆風で体が崖から離れた。思いのほか遠くまで飛ぶ。背中から落下していく。恐怖に金玉が縮みあがる。


 着水したら思いのほか深く沈んだ。白い泡に包まれ、見当識けんとうしきを失う。水は思いのほか冷たく、流れは思いのほか速い。何もかもだ。


 もがいている内、岩に体をぶつけた。そこにつかまり、川からあがる。乾いた岩に黒々と水滴が垂れた。


 ウインドシェルがぼろぼろになっていた。ごろは下半分を食いちぎられたようになっていて、肘には穴が空いている。斜面を滑りおちたときの摩擦が原因だ。幸い、ザックはなくさずに済んだ。


 蒼は自分がさっきまでいた場所を仰ぎ見た。岩肌に大きくえぐれた部分がある。槍の爆発で破壊した箇所だ。あの高さから、しかも背中から落ちたなんて思いだしてもぞっとする。下に川が流れていなければこんな無茶はしなかった。


 魔骸が崖の縁から離れていく。大きな体をしているが、さすがにこの高さから飛びおりることはできないようだ。蒼は周囲を見まわした。背後も切りたった崖だ。この谷間を抜けるにはどうすればいいだろうかと考えていると、またあの耳障りな音が聞こえてきた。


 魔骸が木馬に乗って崖から飛びだす。木馬はホバリングし、ゆっくりと下降した。地面に着くと、5体の魔骸は降りたち、横一列に並んだ。川を挟んで蒼と向かいあうかっこうになる。5つの銃口が蒼に向けられた。


 髪の毛や指の先から落ちるしずくを蒼は見つめた。岩に当たると黒い染みを残して消える。


「ここまでか……」


 つぶやく声はたぎる谷川の音にかきけされた。

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