「キラか…」
「報告は読ませてもらった」
「はい」
「引き続き――そうだな、これからはキラ・ルカにも注意するように」
「了解いたしました」
「退出しなさい」
「はい。失礼致します」
全身を緊張させたまま、作法通りに上官に一礼し、部屋を後にする。
一般的には休日とはいえ、二十四時間体勢で誰かしら人のいる兵団の、廊下は喧騒にあふれている。日中に訪れる一般人は、平日よりも、むしろ多いくらいだろう。そのために、休日こそ休めない部署もあるくらいだ。
そのざわめきに身を潜ませようやく、一息つけた。
「キラか…」
学生時代の落ちこぼれ。今もって、頼りない空気をまとう。しかし――第十一隊では確実に位置を得ており、注意も
ぼうと、胸の内に黒い炎が燃えるのを自覚した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます