本人
「それは…私がっ、転生神だからっ。」
思わず俺は心から声を発してしまった。
「はぁ?」
声を上げた直後我に返った。
「あんたが転生神?でもなんで眷属なんかに?」
そう。転生神は誰かのしたにつく必要はない。なにせ神なんだから。
「だってぇ。見てるだけだとつまんないんだもーん。」
子供のように駄々をこねはじめた。つまんないってなんだ?
「見てるだけとかつまんないとか何の事だ?」
「私は人を転生させてるけど私は冒険できないじゃないっ。その人の冒険を見てるだけなんてつまんないつまんないー。私も冒険しーたーいー。」
欲求不満かよ。
「でもなんで俺なんだ?他の人間を転生させて付いていけばいい。」
問題はここだ。なぜ俺なのか。
「だって勝手に殺しておいて、責任者の私が顔も見せないのも悪いじゃない?ってのは建前で、貴方なら私は不自由なく異世界生活を楽しめそうだからっ。」
建前はまともなのに本音が酷すぎる。
「で?詫びは?」
「ふぇ?」
なんだ?本当に顔見せに来ただけ?
「詫びだよ。ソシャゲとかでも運営が何かやらかしたら詫び石とか貰えるだろ?」
「何でも斬れる剣…なんでも貫ける弓」「いらん。いらん。」
と全て生成できるからと断っていたら、何やら詫びが思いついたようだ。
「私。私の体はどう?」
「いらない。」
何を思いついたと思ったら、体で払うとかどこのエロ同人だよ。
「そうよね。貴方童貞だものね…えっ。いらないですって?童貞なのに?」
「違うよ。」
ニコッとしながら答えた。
「だって相手がいないじゃない!」
「いるよ。」
ニコッとしながら答えると清々しいな。
ババンッ
「秋水君っ・様っ・さんっ」
3人が入ってきた。間に合ってるとはこれの事だ。
「貴方、こ、この娘たちと?」
「「「はいっ。ヤリました」」」
答える前に言われてしまった。勿論転生者の2人とアルナだ。
「で、この方は?」
と紅音が問う。
「私は転生神のラースです。私は今秋水君に仲間に入れてと頼んでいたところなの。あと次に転生する人に紛れてほしいってのもあるわね。」
「(しら)次に転生するもの?」
「(ラース)私は転生させることが出来るけど転生させる相手は決められないのよ。だから転生する人を教えてそれについて行かせることはできるの。今回は集団転生だから」
「それに俺達も紛れ込めば転生できると。」
なるほどな。筋は通っている。しかしどうやってその集団に紛れ込むか。そしてその集団がなんなのか。
「それじゃあ仲間に入れる条件として固有スキルをくれ。一時的なスキル付与だ。」
これで紛れ込める。
「(ラース)分かったわ。すぐに手配するわ。じゃあ放課後にまた会いましょっ。」
「それで俺達転生することになった。お前も来るか?」
「(和人)いや。遠慮しておくよ。」
和人はあれ以来転生事に関わらなくなった。
「待たせたな。」
「(ラース)そうね。で今回転生するのは別の学校よ。そしてこれを飲めば貴方にスキルが着くわ。」
とポーションの様なものを渡してきた。すぐさま飲む。
「これでその学校に楽に転校できる。」
そして転校は明日となった。
「【絶対待遇】付与っ!ふぅ。これで俺たちは待遇される。楽に転校できるだろう。」
「今日から転校してきた5人です。仲良くしてくださいね。」
まぁアルナは少し無理があるよな。
「【身体改造】 でこのクラスの記憶をいじって俺たちは2年から転校してきたことにする。そうしないと転生させられた時俺たちが原因と疑われかねない。」
そして転生するのは今日の1時間目終了前。そして1時間目は担任が担当の国語だ。担任も転生させられるなんて可哀想だな。
休み時間
「このクラスのリーダーはあいつか。」
いかにもと言った容姿だ。顔立ちがよく誰にでも明るく振る舞える。俺にはできないことだ。転生後は皆あいつに付いていくだろう。
「白波!前の学校はどこだった?共学なら女の子紹介してくんない?」
フッ。くだらない。まぁいいか。こういう時は
「すまないがこの4人以外に興味がなくてね。あまり女子とは関わらなかったんだ。」
と4人と仲がいいことも自慢しつつ相手に利益を与えない。割れながら完璧な回答だった。
「そ、そうか。」
シッシ!。俺には纏わってきた男子共は追い払えた。また客が来たようだ。
「4人はさ彼氏とかいるの?やっぱり白波くん?」
「はいっ!」「えぇ。」「そうよ。」「そうです。」
なに答えてんだ。おれがタラシ見てぇじゃねえか。
「えっ。4人は皆彼と付き合ってるの?」
「勘違いしないでください。秋水様は私達を1人も悲しませないために全員とお付き合いしているのです。」
おっ。いいこと言った。アルナいい子だ。
「そうなのね。悪い事言っちゃった。白波くんごめんね。」
とわざわざ誤りに来てくれた。あっちの世界で彼女に何かあったら優先的に助けよう。
まもなく1時間目終了
ザッ!ガチャっ。誰も触れていないのに、開いていた窓とドアが閉まり鍵がかかる。
「えっ、なに?」
ロリボイスの担任が驚く。見た目と声は完全に幼女だ。周りの生徒も焦っているようだ。焦っていないのは俺ら5人だけ。
『君たちは選ばれた。君たちは魔を滅ぼすためにいる。我が国を救うためにこちらの世界へ迎え入れる。』
と自分勝手なことを言っている。
言葉が途切れた途端光がに包まれる。【身体改造】発動。虹彩・瞳孔改造。
すると見たくないものが見えた。
これは教室内の人間を一斉に転移させているのではなく、高速であちらの世界からこちらの世界に来て、こちらの世界にの生徒を持ってあちらの世界に転移していた。人力ってダサすぎるだろっ。
「よくぞ来てくれた。勇者たちよ。」
と、またも王様だ。
「我がお主らをこの世界に呼んだのだ。」
「なんで俺たちを呼んだんだよっ」「なんで私なのっ?」「帰りたいわっ」
とかベタな反応をするもんだから笑いをこらえるのがキツイ。
「この世界からお主らを返す方法はない。しかしこの世界は今危機に瀕している。魔の国が我らの国に侵食してきている。魔の国を滅ぼさなければ我らの民は終わりだ。それは理解して欲しい。」
返す方法は無い?それは嘘だ。俺が力を使えば帰ることなど容易い。まぁ俺が使えばの話だが。
「分かりました。帰れないのであれば仕方ありません。しかし僕らは戦闘も初めてなのでお役に立てるとは思いませんが。」
とクラスの中心核の彼が割り込んできた。まぁ確かに戦ったことはないだろうな。それで俺たちは何が出来るかだな。
「それは心配ない。異世界の者にだけ使える竜をすら死に追いやることが出来る武器がある。」
なんだそれ。竜ってあんま強くないよな。
「それなら余裕じゃねぇか」「よかったぁ。どうしようかと思った。」
と言って生徒達は並べられた武器を選び始めた。
「お主らはどうする?」
と俺ら5人に聞いてきた。ここで俺は奴に問う。
「本当にこれだけなのか?確かにこれは俺らにしか使えない強武器だ。しかしもっと強いのがあるんじゃないか?」
究極鑑定は究極成長と自由進化によって強化された。嘘をついている相手の内心を鑑定できるようになった。
「ぐぬぬ。お主らは見破れた。だからこの5本の武器をお主らに授ける。」
「そうか。じゃあこれはそいつらに持たせる。」
といってクラスを引っ張るメンバーに渡した。5人だ。男子2人、女子3人。
「いいのかい?僕達は見破れなかったのに。」
「いいよ。お前達はこのクラスを引っ張っているからな。それより俺はお前らの名前を誰一人知らない。教えてくれ。」
「そういえば君たちが転校してきてから紹介してなかったね。僕の名前は、
「俺の名前は
「次はあーしね。
ギャルは中心にいるよなぁ。でも信頼あんのかね。
「私は
双子ね。姉弟そろって頭良さそうだな。
「次は私だねっ。私は
「分かった。俺たちは…」
自己紹介という物はめんどくさいと改めて実感した。
「さぁ。皆冒険を始めよう。」
いや。俺のセリフ取るなよ。
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