第26話

クリウスは、シンデレラの友人であると言う青年からこの想区が自身とメルの記憶通りの「シンデレラ」の内容と言うことがわかった。しかしあくまで彼とクリウスの主観であり、確証は得られないとあたまを悩ませていた。

(それにシンデレラの幼馴染はいないからなぁ…)

「なぁ一つ聞きたいんだけど」

「なんだい?」

「シンデレラと友人になるのは君の運命の書の記述通りなのか?」

「…いや違うよ。単純にほら、彼女をほっとけなかったんだよ」

「…野暮なこときいたわ」クリウスは気まずそうに目を背けた。

「ん?…あーいやそう言う訳じゃなくて…」

「と言うと?」

「いや…実は…」


そしてクリウスはカボチャ畑の青年に別れを告げて、隣の村で聞き込みをしていた。そこには先程と同じようにカボチャ畑とがあった。

「ここの屋敷の主人の娘はな、父親が亡くなったあと再婚した義母とその娘に召使いにされていたんだよ」

近くの行商人に買い物ついでに話を聞かせてもらったクリウスはカオステラーの正体に気づいた。

「ありがとうこざいます。あとこれはほんの気持ちです。」

「おお!見たことない金貨じゃないか!あんた見た感じ宮廷魔術師がなんかか?」

クリウスが渡した他の文化圏の想区の貨幣に目をキラキラさせた商人にお礼を言いながら、クリウスはコロシアムへと全力で駆け出した。

(カオス・シンデレラ…お前の目的は止めて見せる!)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

グリムノーツ偽典 クロスオーバードライブ 時速32mm @hakurann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ