第23話
私は、いつも窓と本を見ていた。勉強は嫌いじゃなかったから、いろんな本を持って来てもらっていたから。部屋の外には出られなかったけど、クリウスがいつも話をしに来てくれたんだ。
「それでも、クリウスはいつもいろんな想区の話をしてくれて楽しかったよ」
「いや記憶喪失どこいった?!」
元々私は、気がついたら何処かの想区の城に閉じ込められていたの。定期的にクリウスがストーリーテラーや、想区のヒーローについて話をしに来ていたんだけどある日……
「メル、一緒に逃げよう!」
そう言って私を連れ出し、沈黙の霧の途中で、クリウスが倒れた。
なんとか別の想区に着いたんだけど、その時のクリウスは自分の記憶をなくしてしまったの。
「唯一わかったのは、私がクリウスから聞いた話と、『双剣の栞』の使い方だけ」
「じゃあ調律は?」
「あれも、私が閉じ込められていた時、クリウスが私は調律の巫女の血統だって、教えてくれたの。」
「調律の巫女か……?」
クリウスは、自分の名前も知らない私にとって、親のように大切な人。
時々無茶させるけど、ヒーローとコネクトして戦うクリウスに比べたらへっちゃらだよ。
「名前をつけてもいいかな」
初めて会った時。
「俺の名前を分けてあげよう。君がメルで、俺はクリウスだ!よろしく!」
「私は、クリウスの力になるって、決めたんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます