第22話
「掴みたい運命をかけての決闘、カオステラーにしては、すごく綺麗な動機というか…」
メルの呟きに、ベレッタが頷く。
「シンデレラ、カオステラーの人物に心当たりがあるのか?」
「………いえ、でも間違いなく知り合いのはずなんですよね?」
クリウスはシンデレラの話しから考え込む。
(シンデレラの原典を考えれば、あのカオステラーは誰にも該当しない…っ!!)
突然はっとしたような表情をしたクリウスを四人が覗き込む。
「どうしたのクリウス?」
「……メル、三人と闘技場に向かってくれ。俺は少し調べてみることがある。」
「えっ?」「おい、どうした?」
「頼んだぞー!」
そのままクリウスは一人で走って行ってしまった。
「…行ってしまったわ」
「あの、大丈夫なんでしょうか?」
フェアリー・ゴットマザーとシンデレラが心配そうにしている。
「まあ、大丈夫だよ…多分!」
「多分かよ…」
そして四人は闘技場にゆっくりと向かい始めた。流石に道を堂々と行くわけにもいかず、屋根伝いに移動している。
荒事慣れしているベレッタと、ヴィランから逃げ回ることに定評のあるメルは特別苦労していないが、がらすの靴のシンデレラはゴットマザーの助けをもらいつつ進んでいた。
「なあメル」
「何?」
「クリウスとお前はいつからこんな事やってんだ?」
「…結構前からだよ。私もクリウスも記憶喪失だから大変だったよ」
「…記憶喪失?」
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