第20話

シンデレラの想区の城下町の外れで、クリウスはシンデレラと一緒にベレッタ、メルと合流した。

「クリウス!無事だったんだ!」

「だから言ったろ、大丈夫だって」

「ベレッタお前か、俺置いていったの」

クリウスはげっそりした顔で呻いた。横にいたシンデレラが落ち着かない様子で尋ねる。

「あの…あなた達は一体」

「ああ、それは…」

「待ったクリウス。お前の説明は微妙に分かりづらい。俺が噛み砕いて内容を伝える」

「……。」

「クリウス…元気出してよ。ほら、新しいヒーローの栞」

「おおー!!なんだこのヒーローは!!」

「立ち直るの早いな!」



「……というわけだ。そして今、この想区がどうなっているか、教えてくれないか?」

ベレッタの説明を聞いたシンデレラはゆっくりと話し始めた。

「分かりました。実は…」



「私と、踊っていただけませんか?」

いつかの舞踏会で、フェアリー・ゴットマザーの魔法をかけてもらったシンデレラは今、運命の人である王子からダンスの誘いを受けていた。

(本当に今、私の運命が変わるのね!)

(頑張ってシンデレラ!私も応援しているわ!)

頭の中にフェアリー・ゴットマザーの声が届いた。その時、


「あらあら、自惚れてもらっては困るわ。灰かぶり」

突然城の扉が轟音と共に壊れ、黒いドレスを着た女性、カオス・シンデレラが現れた。

「なっ…!貴方は一体!?」

するとカオス・シンデレラが、持っていた何かをシンデレラに投げつけた。

「…っ!これは?!」

それは、白い手袋だった。


「灰かぶり!王子と結ばれたいならばこの私と決闘なさい!」

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