第19話

「クロス・コネクト!!」

クローバーに展開された双剣の栞を、空白の書に挟む。

ロミオの姿のクリウスの体が光り、現れたのは、

槍と盾を持つ端正な顔の青年、その周りにふわふわと浮く七人の小人だ。


「ヴァルト、ツヴェルク!!」

この世で最も美しい白雪姫を守る二人(?)が今、二人のシンデレラの前に現れた。


「これは無効試合にさせてもらうぞ!!」

救済のフレイム・プリンス

ヴァルトの槍が地面に突き立てられ、そこから炎が走り、二人のシンデレラの前に壁を築いた。

「……っ!邪魔をするなぁ!!」

カオス・シンデレラが叫び、ドレスの腕が観客の一部を掴み、ヴィランに変えてけしかける。

ナイトヴィランの剣と斧が、ヴァルトの盾に阻まれる。

「後ろがガラ空きじゃ!」

ツヴェルクの一人が、小さな体に似合わない重い一撃を背中から食らわす。


「一気に決める!!」

不屈なるメルヒェンの王子たち

ツヴェルクたちに囲まれたヴィランとカオス・シンデレラを、炎の竜巻が包み込んだ。

「今のうちに逃げますよ!」

ツヴェルクの一人が、戸惑うシンデレラを担いで走り出す。

「えっ!?ちょっと!?」そのままクリウスとシンデレラは闘技場の外へ逃げていった。


止んだ竜巻の中心で、半分仮面に覆われたカオス・シンデレラが忿怒の表情で唸る。

「……邪魔者がぁ!何処に消えた!!」

その体はドレス共々焼け焦げているが、混沌のオーラが次々と直して行く。


「見事だ。流石は使と呼ばれていた男だ。だがその双剣の栞は、教団の為に頂くぞ。」

イシュタルはそう言うと、影のように消えた。

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