第18話

「何あれ…カオステラーそのものじゃない!」

メルはイシュタルがコネクトしたヒーローが、カオステラーの力を持ったヒーロー、カオス・ジュリエットだと気づいた。

「……っ!ベレッタ!一人じゃ無理だ!」

クリウスも駆け出し、双剣の栞を取り出してコネクトする。

「来い!ロミオ!」

長剣を持つ青年、ロミオにコネクトしたクリウスが向かおうとするが、ヴィランが新たに現れた。

「このっ…!」


すると次の瞬間、クリウスの体を黒い巨大な腕が背中から掴みかかった。

「……っ!後ろか!」


後ろには、互いに殺し合うシンデレラの内、カオス・シンデレラのドレスから黒い腕が伸びていた。

「さっきからバンバンバンバン、うるさいったら仕方ないのよ!!」

そのまま引きずり落とされ、コロッセオの端に勢いよく転がされた。

「ガハッ!」

それを見たシンデレラはカオス・シンデレラに怒りを露わにする。

「何をしているのですか!これは私とあなただけの決闘のはずです!」

「ええ、そうよ。!!」

カオス・シンデレラの魔法と、シンデレラの籠手の輝きが衝突する。


「ちょっと、キツイな…」

一方ベレッタは、イシュタルの猛攻に苦戦を強いられていた。

既にリボルバーの弾は尽き、魔法のみの攻撃だが、

(当たらねえ!そして効いてねえ!!)

スピードの差がものをいい、カイの放つ魔法は、カオス・ジュリエットに避けられ、拳で魔法陣を破壊されてしまう。

「リロードすらさせてもらえんとは」

「いい武器だ、使わさせてたまるか」

(なーら、これだ!)

リボルバーの撃鉄を、ゆっくりと起こす。

ジュリエットが拳を振りかざした瞬間、引き金を引いた。

「くらえ!」

銃口から放たれたのは弾丸ではなく、カイの青い魔法だった。


だがカオス・ジュリエットの姿は、蝶の光になって消えた。背後から、憎悪が迫る。

「……っ!まだだ!」

切替技、ダッシュソード

モーリアに姿を変えたベレッタの剣が、拳を弾き、そのまま距離を取る。

「メル!逃げるぞ!」

「わっ!ベレッタ!クリウスは?!」

「あいつなら大丈夫だろ!」

そしてメルを抱えたまま、コロッセオの外へ飛び出した。



「……逃げ出したか。あの男、熟練度レベルは低いものの、かなり手慣れていた。これから厄介になるな」

コネクトを解いたイシュタルが、闘技場のクリウスを見る。


「さあ、お前の力を見せてみろ。メルクリウス」



「クロス・コネクト!!」

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