第17話

「ほう、導きの栞を持つ仲間までいるのか」

赤髪の女性は、強気なオーラを絶やさず笑みを浮かべた。

「知らぬ者も、忘れた者もいる故、改めて自己紹介させてもらう」


「我が名はイシュタル、フォルテムの導きを持って、運命を解放する者だ」

イシュタルはクリウスと同じ宿り木の栞と、黒い金属の光を放つ何かを取り出した。

双剣の栞と同じくらいの大きさだが、宿り木の栞を差し込める箇所が一つしかない事がわかる。


「……それは一体」

「メルクリウス、お前がいなくともこれぐらいのことは出来るものだ」

宿り木の栞を差し込む。


「カオス・コネクト。ジュリエット」

イシュタルの体が鈍い光に包まれ、ベレッタは突然の衝撃波に後ずさりした。そこには


黒い喪服に身を包んだ、籠手を付けた少女だった。だがその目は、先程のイシュタルの光が宿っていた。

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