第15話
シンデレラ
[灰被り]と貶められた少女が、フェアリー・ゴットマザーの魔法で、王子と結ばれる物語
「……が、こうなるのか?」
ベレッタは、闘技場の観客席で異様な光景を見ていた。
一方は、黒い鮮やかなドレスが禍々しく蠢き、持つ杖からは黒い冷気を放つ王女と言うより女王様というべき。
かたやもう一方は、白く輝くドレスと透明に光るガラスの武具を四肢に付けた少女
両者が一歩も譲らない接戦を繰り広げている。
「説明してほしいんだが?」
「こっちのセリフなんだが」
クリウスもまた、何があったのかよくわかってない。
ベレッタは、腰の後ろのベルトに導きの栞と交差するように下げていたリボルバーを取り出し、クルクルと回しながら質問する。
「まず、状況じゃなくて状態がおかしいのはなんなんだ?」
「……シンデレラが二人いることだ。黒いのは以前戦ったことがあるカオステラーと同じ姿だからアイツだと思う」
「待ってクリウス、ゴットマザーも二人いるよ」
メルが両手で指さした方にはそれぞれ妖精がおり、華麗で威厳を感じさせるのと、醜い魔女のような姿のがそれぞれ戦う二人のセコンドのようにいる。
「……ふむ」ベレッタはリボルバーを回転させながら、ぶつぶつと呟く。それを見てたメルが聞く。
「何をかんがえてるの?」
「三つのこと、悪魔払いの時から使っていた考え方だよ」
何故、誰が、どうやって、
「カオステラーにもこれが当てはまるからな」
「誰が、どうやっては分かるな」
戦いによる決着
カオス・シンデレラはおそらくそれを望んでいる。
「何者だ。旅人たちよ」
突然、三人の後ろから声をかけられる。ベレッタはすかさずリボルバーを向けた。
そこにいたのは、ヴィランを引き連れた、髪を短く切った赤髪の女性だった。
「混沌に仇なすか、メルクリウス」
その目はクリウスに注がれていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます