第14話 シンデレラの想区

沈黙の霧の中を、三人は進んで行く。

「三人で手を繋いで移動って大変だな」修道服を動きやすく改造した比較的目つきの悪い青年、ベレッタは初めての想区間の移動に疲労を隠せないでいた。

「前回は三日かかったのにもう五日目…記録更新してるな」

片眼鏡をかけた、魔法使いを思わせる服装で青髪の青年、クリウスはもう一人に愚痴をこぼしていた。

「わぁーたぁーしぃーのぉー」

白髪の少女

「せいって言うつもり!」

メルがきっ!とクリウスを睨んだ。クリウスがぎょっ!となる。

「おーいお二人さん、着きそうだぞ。」

霧が晴れていった。


見えたのは、お祭り騒ぎの町であり、向こうには、大きなお城がある。

「「「おおー!」」」

賑やかな街並みに三人は喜びのこえを漏らす。

「ねえ何か張り紙を配っているよ」

「ちょっともらってくるわ」


「すいません、旅のものなんですがこれから何かはじまるんですか?」

クリウスがビラを配る兵士に慣れた感じで聞く。


「これから、《ぶとうかい》が始まるんですよ。王子さまの結婚相手を決めるんです」

(あー、シンデレラの想区か)

「なるほど、舞踏会ですか」



「いいえ、武闘会です」

「へ?」


すでにカオステラーの混沌が、想区に忍び寄っていた。

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