第12話

「クリウスー!」

メルが悲痛な声を上げる。ベレッタが司祭の前に立ち塞がった。

「……あんたには迷惑かけたな、だがお互いさまだ。」

「ほざあああけえええええ!!!!」

司祭が絶叫する。最早戦える状態ではない。

「こ、殺せえええええ!!!」

「ぬああああ!」

「……っ!」

カオステラーによって元帥、いや青髭に変質したジルの大剣がベレッタの頰を掠める。ベレッタが倒れたクリウスに向かって叫ぶ

「なあ!その栞!これも使えるか!?」

ベレッタは、服の下に入れていたペンダントを取り出した。そこには小さな十字架と、青い薔薇のガラス細工、そして、だった。

導きの栞

ヒーローの魂と一つになって、ヴィランと戦う為の道具だ。


ペンダントのチェーンを、ジルの大剣が引き裂いた。三つの飾りが宙を舞う。


ベレッタは、ガラス細工をリボルバーで撃ち抜いた。粉々になった青い光が、ジルの目を誘った。


「ああ、ジャンヌ…」


その一瞬、ベルトの運命の書を取り出し、その空白の書に導きの栞を挟んだベレッタ。そして再び双剣の栞を構えたクリウスがいた。


「来い!」

「コネクト!」


切替技、ダッシュソード

二人の一閃が、ジルを吹き飛ばした。


「ぐあ!!」

だが決定打にはならない。

現れたのは、クリウスがコネクトしたロミオと、蒼銀の剣を持つ少年だった。


モーリア・ザビレ

神秘の泉に縛られた乙女クレネを憐れみ、守り人の使命を放棄して泉からクレネを連れ出した。それが正しいと信じて。


ベレッタは、笑った。

「そうだよな、見てられないよな。助けたいよな。助けたかったよな。」

クレネは、泉から離れては生きて行けない運命だった。


「「だからたちは、を取った。誰かのヒーローになる為に」」


ベレッタが駆ける。その手には剣とリボルバーを持って。


クレネ・ガーディアン

青い光を宿した剣技がジルを捉えた。そして、

「じゃあな」

大剣を銃弾が砕いた。

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