第11話

「「カオステラー!!」」

「……司祭!」

カオステラー、悪魔司祭は嬉しそうに一人の人間をつまみ上げた。それはジル・ド・レの兵士の一人だった。

「くく…これらが教えてくれたぞ。貴様があの魔女を殺したのだな!!」

「……」

「ベレッタ、何も言わなくていいよ」

メルがなだめる。

「カオステラーに何言っても、自分の都合のいいようにしか聞こえないんだ。」


「もうウンザリだ。こんな夢からは覚めてしまおう」

クリウスは、双剣の栞に二枚の宿り木の栞を差し込み、クローバーに変形した。

「さあ、ヒーロー達の物語を始めよう。クロス・コネクト!!」

空白の書に挟み込んだ。


先程のコネクトより強い光が放たれ、現れたのは長剣をもつ青年、ロミオと、


弓をもつ小人のような大きさの少女、ジュリエットだった。


「……ふたっ?!二人!?いや二人かアレ?!」


クリウスは、剣を悪魔司祭に向け


「「「クロス・コネクト!ロミオ・ジュリエット!!」」」

一気にヴィランの大軍に突っ込んでいった。


「クルルルア!!」

「ガアッ!!」

それはまるで竜巻だ。

ロミオの豪快な剣技と、ジュリエットの雨のような矢の連射が、次々とヴィランを蹴散らしていった。

「おのれぇ!!」悪魔司祭は、大きな人影を呼び出す。竜、亡霊、ハーピー。メガヴィランだ。


「「「これで終わりだ!!」」」

ロミオの剣の切っ先とジュリエットの引き絞られた矢が光り、空に昇って一つになった。


ラヴ・イズ・ブラインド

空からの攻撃がヴィラン達を爆発に飲み込み、残ったのは片膝をついた悪魔司祭だけだった。


「「「あんたの運命は、俺たちが持っていく。」」」息を切らしたクリウスが、新たな宿り木の栞を取り出そうとしたその時。


「まだだ…!」

「神よ…」

「「「っ!?」」」


突然、巨大な雷の柱が、クリウスに振り下ろされた。

そこには赤い長髪を青く染め、大剣を持ったジル・ド・レだった。

「「「ぐっ!がっ!」」」

突然の攻撃にクリウスは吹っ飛び、素の自分の姿に戻ってしまった。

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