第四話

(なんでこの想区にそんなものが…)

クリウスは驚きながらも、モルジアナの剣技には揺らぎはない。

(お言葉ですが、私は代わった方がよろしいかと)

(わかった!!)

モルジアナの姿のクリウスが再び輝き、周囲のヴィランが衝撃波で吹き飛んだ。

切替技 ヘビーインパクト

現れたのは、全身を白く光る鎧を纏った、槍と盾を構える騎士だった。


白の騎士

鏡の国において、白の王女に仕える者だ。

「「はあああ!!」」

クリウスはそのまま白の騎士の大きな盾で路地裏のヴィランをまとめて弾き出していった。

「……終わった?」

メルは、再び樽の中だった。


とりあえず三人は、近くの食堂跡で休息を取ることになった。

「お茶、入れたよ。ベレッタさんも」

「ありがとう。ぶっ!?なんだこれ!苦いってもんじゃないぞ!」

「メル…なんで日本茶にしたんだよ?」

「だって、ずっと荷物にあったし、腐っちゃうかなって」

「茶は腐らん!」

「……そんなことはどうでもいい。あんたら、何者なんだ。」

「……どこから話したらいいのか」

それからクリウスは、カオステラーがストーリーテラーの変質したものであり、ヴィランがストーリーテラーの防衛装置を悪用したものと説明した。

クリウスの話を、うーんと考えながら聞いていたベレッタは、途中すごい険しい顔をしていたがいきなり

「わかった。つまり今司祭様がストーリーテラーに取り憑かれたから、それを払ってくれるんだな」

「ええ。この私が調律して、カオステラーを止められるの。」

メルが誇らしげに言う。

「……そうか。じゃ、ここでさよならだ。」

「「えっ」」

そうするとベレッタは、食堂跡を立ち去ろうとした。

「待って!なんで!協力しようよ!」

「あんたらならカオステラーも止められるだろう。俺の仕事は別にある。」

「……じゃあ一つ教えてくれ、カオステラーが言ってたジャンヌ・ダルクを殺したってのは?」

「俺だよ」

「「は?」」

「俺が、殺した。あのふざけた魔女を」

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