第三話
「……どうしようか?」
「どうしようか?じゃないでしょ!!」
カオステラーから逃げ出した二人は、暗闇の中で揉めていた。
「こんな狭いところ、早く出ようよ!」
「それもそうだな」
「だああああ!!」
路地裏の樽が爆発したかのようにこじ開けられ、中から二人が飛び出した。
「……っ!なんだ!」
「「誰?!」」
そこには、修道服に似た服を着た、一人の男が驚いていた。
「……俺はベレッタ。
「俺はクリウス、旅人だ。」
「私はメル、右に同じく」
「変な服装だ。知り合いに似た服を着た奴がいた。」
「悪魔払いっていうと、どういうのを?」
「……あんたらも見ただろう。あの人が悪魔になったのを。俺は、あの悪魔達を狩るのさ。」
「それを仕事に?だったらこの想区って…」
「カオステラーが、ずっといるって事じゃないか!!」
二人の驚きっぷりにベレッタは首を傾げる。
「カオステラー?ってのはあの司祭様なのか?あの人がああなったのは一週間前だぞ。それに俺がこの仕事をしてるのは二年前からだ。」
クリウスは、ベレッタに言い聞かせるように話した。
「いいかベレッタ、俺達はあのカオステラーを止めないといけないんだ。お前の言う悪魔はあいつを倒さない限り現れつづけるんだ。」
「待ってくれ、俺はさっきからあんたたちの言ってることが全く信じられない。悪魔はいつだって現れるし、あんたらもただの旅人じゃないんだろう。信用できない」
「……っ!ねえクリウス!ヴィランが!」
クルルルル…とヴィラン達が集まってきた。クリウスは『双剣の栞』に、二枚の小さな栞を差し込む。クローバー型になったそれを、空白の書に挟む。
「コネクト!」
光と共に姿を変え、剣を構える。
「この私が、お相手仕りますわ!」
モルジアナ
アリババの忠臣にして、豆の木の戦いを経て成長した美しき華である
「「はっ!」」
鋭い剣戟が、ヴィランを切り刻む。
(狭くて面倒ですね。こうなったら建物ごと…)
(必殺技はだめー!!)
すると、一つの破裂音と共に、ヴィランが吹き飛んだ。
「悪魔払いは俺の仕事、いや運命だ。」
ベレッタの手にあるのは、一丁のリボルバーだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます