ここにいるよ  (終)

あなたは、今どこなの。みんな元気で待っているのよ。


私はあの事件後、研究所勤務をやめた。

だが、研究所で当時、使用していた回線ルートは、完全にそのままで確保されていた。


ミムが逃げた時、周りはあなたの敵ばかりだった。

でも今は違う、違法研究が世間にでて、会社側の行おうとした事にストップがかかった。

すべての状況は一変した。

戻ってきてミム、今は全世界が…ミムの周りすべてはあなたの味方なのよ。


その時!私の脳空間に着信ウィンドウが開く。

懐かしい、あの、脳へのかすかな痛み…


私はベランダへ飛びだし!明るくなりかけた空を見上げ…


神に感謝した。

ミムは生きていた!ミムは私を憶えてくれていた!ミムは…


そしてメッセージには…一言…こう打たれていた


    「ボクは、ココにいるよ」  と!!


       ****************


真っ白なマンションが建っていた。

最上階から少し下の一室、小さいが良く手入れされている芝生の庭先に可愛い小さな犬と女性が走りまわっていた。

その女性は、微笑むと、2つエクボがくっきりと現れる顔をして、小さな元気な犬と、とても楽しそうな様子だった。

犬が「ワン!」と吠えた。


その犬は頭の後ろから首にかけて、盛りあがった出っ張りが有った。

だが今は、出っ張りの中のモノは、何の機能も役目も果たさずそこにあるだけだった。


犬がもう一度「ワン!」と吠えた。


小さな犬と女性は今、とても幸せだった。


   《 お わ り 》



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


犬たちから見れば10匹めの子犬はチビって呼ばれていましたがココは、ミム。

マサさんもウッキさんも違う名です。


犬たちに与えられていた情報は制限されていて、機密事項には、ブロック処置がなされていて仮の名だったという設定です。


むつみちゃんもココでは、みなみって名前です。



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