~キル~

 オレはどうして……オレハ何デ……。アァ……ソウカ。オレ、結局獣ニナリキレナカッタノカ……。あの日々……。周りは俺を軽蔑し、家族は俺を殴った。

 ある日、俺は決心して、家族を殺した。夜だった。空を見上げると、赤い月。それを見た瞬間、無性に力が湧いた。俺の体にも変化があった。牙や爪が鋭くなった。俺はチャンスだと思い、あの町に火を付けた。手から炎を出せると分かり、俺は炎を出しまくった。だが、結局町は燃やせず、あの事件を起こした留美を探れず、そしてあの男にも邪魔され、失敗に終わった。俺は最期を迎えた。どんどん流れる赤い涙。あぁ……俺はただ……愛されたかった……だけ……なのに……。きっと……忘れられる……。俺の存在は無かったこと……に……。あぁ……どうか……。あいつ等だけでも……覚えていて……ほし……い……――

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