~事件の終結~
レンは目を開け、顔を上げる。
「私は一体……。……はっ! 留美は……」
下を見る。留美が倒れていた。
「……留美。ごめん……」
そう言いながら下へ。留美に近付く。
「留美……」
レンは涙を零す。留美を守れなかった。私のせいだと、レンは自分を責めた。
「……う……」
小さくうめく声。その声の主は目を開け、目の前の光景を見る。時間が止まったように、動いてなかった。だが一部だけ、動いていた。
「……レ……ン……?」
「!?」
一部が驚く。前で涙を流していたのは……
「留美……!!」
そう言って、留美を抱き締める、レン・キルラだった。
「あぁ……良かった……。留美が無事で……良かったです……!!」
「レン……。私は大丈夫。だけど……どうして助かったの……?」
「私は何もしていませんが……。誰かが時を止めたのでしょうか……」
「でも……それにしては違うと思う……。炎の球、ないし……」
「あ、そう言えばそうだな……。炎の球を破壊してついでに時を止めた感じ……」
「これは……時間を稼げということなのかも……!」
「だが留美、動けるのか……?」
「少し痛むけど大丈夫!」
「そうか。じゃあ、行くよ! 留美」
「うん……。だけど、あの子……どうなるの……?」
「あの少年はここまで町に被害を出しちゃったから……残念ながら保護対象には出来ない。それに暴走を止めれるかどうかも分からない」
「……そうか……。もし保護出来るなら、あの子も連れていったらいいと思ったんだけど……」
「……申し訳ありません。では、行きましょうか」
「うん」
レンと留美は少年が暴れた町を出た。しばらくして、紫色の光が出、時間が進んだ。
「!? あいつら何処に行った!? くそ、逃げられたか……」
少年は元の姿に戻る。すると、目から赤い涙が出る。
「か……はっ……!! もう……俺も終わり……なの……か……。嫌だ……ま、まだ……俺は死にたくねぇーー!!」
少年はそう言うも、体から力が抜け、ついには気を失ってしまう。そして留美の時と同じように、涙は元の色に戻った……。
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