第157話 えーーー!!!マジですかあ!?

 結局、俺たちは8時過ぎまでWcDでお喋りしていたけど、さすがに帰ろうという事になった。泰介と歩美ちゃんは歩いて札幌駅へ向かい、俺と藍、唯は東西線のホームへ向かい、そのまま東西線に乗り込んだ。

 東西線を降りた後は歩いて家へ向かう事になるのだが、今日は藍と唯が並んで俺の前を歩いている状態だった。

 二人とも結構楽しそうにお喋りしていたが、ふと唯が後ろを振り返って

「たっくーん、そう言えばたっくんは絵里お姉さんが写ってる写真を見せてくれた事はあるけど、全部絵里お姉さんが小学生の時までだよねえ。何か理由があるの?」

と聞いてきた。

 藍も思い出したかのように後ろを振り返って

「そう言われてみればそうね。拓真君は絶対にお義姉さんの写真を見せたがらないけど、何か理由があるの?」

と、二人して俺に聞いてきた。

 俺としては秘密にしておきたかったのだが、あと少しで家に着けば分かってしまうから隠しても無駄だと思い、正直に話す事にした。

「あー、それはだなあ・・・唯、俺の母さんを見て、お前は何か気付かなかったか?藍も母さんを見て何か気付かなかったか?」

「「気付かなかったか?」」

「そう、何か気付かなかったか?」

 それから二人は歩きながら首をかしげていたけど、藍が何か思い浮かんだようで、突然立ち止まって「あっ!」と声を上げた。

「お姉さん、何か気付いたの?」

「もしかして・・・」

 そう藍は言ったかと思うと俺の所へ来て、俺の耳元でボソボソと喋り始めた。

「ひょっとしてお義姉さんは・・・と・・・じゃあないの?」

 それだけ言うと藍は半信半疑という顔で俺の顔を覗き込んだ。

 俺はため息をつきながら

「・・・そういう事だ」

 とだけ答えた。

 そうしたら藍が「えーーー!!!」と大声を上げたから、さすがの唯も気になったらしく「お姉さーん、一体、何がどうしたの?どうして驚くの?」と聞いてきたので、藍は唯の耳元で自分の考えを唯に伝えた。そうしたら唯も「えーーー!!!マジですかあ!?」と大声を上げた。

「あー、二人に言っておくけど、見たら二人とも腰を抜かすと思うけど、会って話をしたらもっと腰を抜かす事になると思うから、そのつもりでいてくれよ」

 俺がそう言ったから、二人は再び首をかしげてしまった。でも、もう家までもうすぐだから、その答えを考えている最中に玄関前まで来てしまった。


「「「ただいまー」」」


 俺たち三人は声を揃えて玄関の中に入ったが、分かっていたけど、普段は見掛けない女物の靴が1つ置いてあった。

「おかえりー」

 そう言ったのは父さんだ。どうやら母さんと姉貴の三人で話をしていたようで、笑い声が奥から聞こえてくる。

 そのまま俺たち三人は家の中に入り、リビングに行ったのだが・・・。

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