第133話 敗者三人による遺恨試合

 

   エントリー者 (推薦人・男・クラス/推薦人・女・クラス)


1年生

 A組 藤上 麻衣 (塩田 渚   1-D/西住 美穂子 1-G)

 C組 大林 ゆう (羽田 弘   1-C/和宮 理世  1-E)

 D組 沢城 美雪 (樋口 幸太郎 1-D/峰 富士子  1-C)

 F組 戸松 春香 (天野 慶太  1-D/結城 明日菜 1-C)

 G組 皆川 順子 (越前 亮太  1-F/天王寺 遥  1-A)


2年生

 A組 佐藤 藍  (佐藤 拓真  2-A/村田 由香  2-A)


3年生

 A組 相沢 美咲 (宇津井 拓也 3-B/神薙 綾乃  3-A)

 A組 藤本 真姫 (本岡 信彦  3-E/峰原 亜沙美 3-A)

 C組 三平 由布子(青空 翼   3-F/夢原 希   3-C)

 D組 竹内 純子 (遠藤 守   3-G/奈津 樹林  3-D)

 F組 村中 知美 (久我 雄馬  3-C/立神 葵   3-B)


 今年のエントリーは全部で11人か・・・原田先生も武田先生もがっかりしてるだろうな。

 俺は今回エントリーした子の全員の顔を知ってる。たしかに可愛い子たちが揃ったが、うちのクラスの男どもが言ってるとおり実質3強の争いとみて間違いないだろう。でも、ミス・トキコーなれるのは一人だけ、準ミス・トキコーも一人だけだ。そうなるとかなり激しい選挙戦になるのは間違いない。しかも、のような感じだから余計に始末が悪い。

 相沢先輩には宇津井先輩、藤本先輩には本岡先輩か・・・二人共、どちらのファンクラブにも所属してない中立の立場の人だから、多分相沢先輩も藤本先輩もファンクラブの影響を排除するための苦肉の策だろうな。神薙先輩と峰原先輩も同じ意味で選んだ無難な線だというのはアリアリと分かる。去年はファンクラブの男女会長が推薦人になっていたのだから、苦労の跡が見える。

「・・・あー、それとエントリーした人には担任から改めて連絡がいくが、来週の月曜日の昼休みに生徒会室で抽選をやる事になるぞ。本人が来れない時の代理は担任だぞ。それと、今後の予定と当日の内容については執行部から提案があるから、みんなも確認してくれ」

 そう黒田先生の発言があった後、本岡先輩と宇津井先輩がA4の紙を2枚配布した。1つはミス・トキコーの事前投票に関するもの、もう1つは当日の予定だ。

 それによると、選挙運動が出来るようになるのは来週の月曜日の昼休み以降、つまり自己PRの順番の抽選が終わった後からだ。PR順は抽選終了後直ちに生徒会室前の廊下に掲示されるが、事前投票は新ルールにより火曜日の昼休みから当日の朝までで投票箱は職員室、正確には教頭先生の机の横に置かれる事になる。『ミス・トキコー』が行われている時間は講堂のステージ下の3か所に置かれ、自己PRタイム終了10分後にステージ上で全ての投票箱の開票を行う。

 今年は当日の自己PRの持ち時間は本人と推薦者の両方合わせて3分以内、つまり、どちらか一人が3分喋ってもいいし、半々に、あるいは2分と1分でも構わないが、とにかく3分しかPR出来ない。去年は推薦人と本人が各々2分ずつ、合計4分だったから今年は短縮されている。まあ、これは元々唯を含めて12人がエントリーすると見積もっていたから、その名残ともいえる。

 実行委員長の唯は司会と開票の立会人及び疑問票の判定を行う事になる。疑問票の判定は唯だけでなく黒田先生も行う事になるが、残りの実行委員は開票作業の担当だ。実行委員の中で推薦人をしているのは俺だけだが、藍との間で応援演説は村田さんがやる事で確認が取れているので、俺は他の実行委員と同じ開票担当だ。

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