フェネックルート
《Year/2018/Day/14/February 自習室》
自分はテスト前で自習室で最終下校時間ギリギリまで勉強していた。
(・・・数学難しいなぁ)
「勉強熱心だね」
その声で後ろを振り返るといたのは同じクラスのフェネックだった。
生徒会の仕事でも終わった帰りなのだろうか。
彼女は黙って、自分の開いていた教科書を見つめていた。
確か、彼女はクラスでも成績優秀、優等生だ。
自分は前々から彼女のことは少し気になっていたが、その分躊躇いもあった。
こんな自分が彼女の様な高貴な人物に好かれるだろうかと。
どうせ、告白してもフラれるだけだと思っていた。
「ペン貸してみ」
そう言ったので、ペンを貸す。
ノートの右側に、スラスラと式を書き始めた。
『あっ...』
「ここはマイナスだね」
自分のミスを指摘した。
すると、彼女は無意識にか、自分の隣の椅子を引き座った。
「教えてあげるよ」
そして、自分は彼女の指導を受ける事になった。
横顔がとても、可愛らしい。
退屈な公式よりも、こちらの方に気が行ってしまう。
「ここがニガテなんだ...、じゃあね...」
彼女は、自分のことが好きじゃないかもしれない。
だけど・・・
(・・・チョコだ)
もう、彼女と共に勉強を始めて1時間経っている。
区切りのいいところで、口を開く。
『あっ、そうだ。お礼って言っちゃなんだけど、あげるよ』
そういう理屈を付けてチョコをポケットから取り出す。
安いチョコだが。
「うん...?」
自分を見た時の彼女の眼が一瞬輝いて見えた。気のせいだろうか。
「ありがとう...」
(今しかない。自分は、彼女に思いを・・・)
[-告白をしますか?-]
〔はい〕
〔いいえ〕
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