サーバルルート

《Year/2018/Day/14/February 教室》


(さてと・・・、もう帰ろうかな・・・)


その時、勢いよく教室の扉が開いた。


「・・・くん!!まだいて良かった!!」


嬉しそうな声を響かせたのはサーバルだった。


『ど、どうかしたの?』


彼女は自身のバックから、箱を取り出した。


「今日はバレンタインデーだったよね!・・・くんにも渡そうと思って、作って来たんだ!」


桃色のリボンのついた可愛らしい箱を自分に渡してきた。


『え、いいの?ありがとう・・・』


彼女が何か料理を作るっていうのが、意外だった。


彼女は何故かニコニコとこちらを見つめてくる。


『・・・?』


「いま、食べてほしいな!」


突然の無茶ぶりに困惑する。


『い、今?本当に?』


彼女は両手を握って前にしながら、うんうんと首を縦に振った。


自分は、箱を開ける。

中に入っていたのは丸いチョコだった。

恐らく、生チョコ・・・、トリュフだろうか。


自分はその一粒を手に取って、口に入れた。


チョコが溶けて甘さが広がる。

外国で修行を積んだパティシエが作る高級チョコよりも、もっと特別な味がした。


『すごく、美味しいよ』


そう言うと、彼女は笑った。


「えへへー!・・・くんにほめられてうれしい!」


そんな彼女を見てると、自分まで幸せな気持ちになる。


「わたし、そんなりょーりしてないから、心配だったんだ・・・

だってさ...、だいすきな・・・くんに嫌われたらイヤだから...」


『えっ?』


また、彼女の一言に驚かされた。


「ずっと...、ホントのこと言うチャンスが欲しかったんだ...

わたしの気持ち・・・、受け取ってくれるかな?」


(自分は、サーバルと一緒に・・・)


[-告白を承諾しますか?-]


 〔はい〕

 

 〔いいえ〕

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