【バレンタインデー特別企画】こくはく!?
みずかん
かばんルート
《Year/2018/Day/14/February 屋上》
(こんな所へ呼び出して、何の用だろう。)
「お待たせしました」
後ろを振り向くと、彼女がいた。
彼女は自分と同級生なのに、敬語を使う。
「ごめんなさい...、待たせちゃいましたか?」
『いや、そんなことないよ。殆ど今来たところ。ところで、何の用事?』
「あの、えっと・・・」
気恥ずかしそうな様子を見せる。
「・・・くんにはいつも、お世話になってるんで、その・・・」
『うん?』
自分に差し出されて来たのは赤い色の箱だった。
「じ、自分で作ったんです・・・」
少し恥ずかしそうに、視線をやや下に落としながら差し出す。
『えっ、本当に?』
彼女は黙って首を縦に振った。
『ありがとう、嬉しいよ』
お礼に、微笑み返す。
「ぼ、僕は...、クラスで地味かもしれないけど...」
『そんなことないよ』
偶に彼女には、ネガティブな思想が入るクセがある。
自分は咄嗟にその言葉を出した。
『かばんちゃんは地味なんかじゃないさ。
勉強は出来るし、正直羨ましいよ』
「あ...、ありがとうございます...」
『それに、同級生なんだし、敬語じゃなくていいよ。もっと自然な君が見てみたいな』
本心が思わず出てしまった。
「えっ...、えっとじゃあ...」
彼女は静かに、生唾を飲み込む。
「ぼ、僕・・・、ずっと・・・くんのこと見てて...、そ、その...、す、すきです!」
(こ、告白!?お、思いもしなかった・・・、やっぱり、自分もかばんちゃんが・・・)
[-プロポーズを承諾しますか?-]
〔はい〕
〔いいえ〕
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