第21話 ブースト錬金

ランキングバトルが始まり、1ヶ月が過ぎ、残り期間が1週間をきった。裕太はほぼ毎日ログインし、毎日最低10戦以上対戦し、ランキングが30位になった。


対戦相手の方が見つかりました。プレイヤー名セータ。


セータといえばランキング7位のブースト錬金の使い手のプレイヤーだ。


「君が全国大会2位の噂のユータくんかい?そのわりにランキングバトルは僕より下のようだね」


「そうだな。だがデュエルに肩書きなど関係ない。やれば分かるさ」


「先攻後攻を選ばせてあげるよ。どちらにする」


どうもこの男、ちょっとランキングが高いからって調子に乗ってやがる。だが実力は侮れない。クラッシュモンスターズは先攻が基本的には有利で、欠点があるとすれば先攻は最初のターンだけドローできないということだ。


「なら後攻をもらおうか」


「な、なんだと!?」


「この程度のハンデ、お前にくれてやるよ。さあ、デュエルしようぜ」


「公開させてやる」


最初はセータのターンで始まり、初めのターンはエネルギーチャージとSPチャージでターンを終了する。それはユータも同様だ。クラッシュモンスターズにはコスト1のモンスターがほぼいないため、最初はチャージだけで終わることが多い。そして2ターン目だ。


「僕は森の精霊リヒトを後列に召喚する。このカードは攻撃できない。ターンエンドだ」


森の精霊リヒト。わざわざ後列に置いたということは、モンスター効果がキーとなるだろう。錬金ブーストデッキはエネルギーチャージを12ためてあるモンスターを召喚すれば、ほぼ勝ちとなるデッキだ。


「森の精霊リヒトはエネルギーチャージ時、エネルギーを手札から2枚までおけるカードさ。さあ、ユータのターンだ」


「俺のターンドロー。俺は神獣リオルを召喚」


神獣リオルはデッキから神獣と名のついたカードをデッキから手札に加えられる。ユータは神獣ケルトのカードを手札に加えた。


「神獣リオルでダイレクトアタックだ!」


モンスターが後列にしかいない時、ダイレクトアタックをすることができる。神獣リオルのブレイクは3。デッキから3枚墓地に送られる。セータの山札は38枚だ。クラッシュモンスターズは山札をライフとしている超頭脳ゲーム。一般のカードゲームでは手札補充はアドバンテージしかないが、このゲームではドローやエネルギーなど、場を有利にするカードでもリスクを伴う行動になる。そのため12のエネルギーをためることはデッキをかなり削らなければならないということだ。


「僕のターン!スペシャルマジック、クイックドローを発動だ!」


セータが発動したクイックドローとはSPを2消費しデッキから2枚ドローするカードだ。この手札増強は森の精霊リヒトの効果を見越してのことだろう。セータはエネルギーを1枚多くチャージし、エネルギーが4枚となる。


「僕はビーストオークを召喚だ。効果により山札から2枚エネルギーゾーンに置かせてもらう」


これでセータのエネルギーは6。一気にアドバンテージを稼がれた。それに対しユータのエネルギーは3だ。


「ビーストオークで神獣リオルを攻撃だ!クラッシュ」


「僕はガード+5000不発だ」


「俺はブレイク+2だな」


ユータとセータは共にクラッシュは不発なので元々の戦闘力でバトルが行われる。神獣リオルのガードは1000ビーストオークのパワーは4000。よって神獣リオルが墓地へ送られる。


「ターンエンドだ」





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