第20話 ジュン

カニキングのデッキ枚数は残り25枚それに対しジュンは37枚だ。


「俺のターンドロー!」


カニキングはスペシャルマジックを発動する。それはロストレクイエムだ。ロストレクイエムは自分の墓地のモンスター10たいにつき、1枚モンスターを破壊できるという後半になればなるほど強力なマジックだ。カニキングの墓地のカードは20枚。よって2たいのモンスターが墓地に送られる。


「僕のタロットスライムはモンスターとの戦闘以外では破壊されません。よってパレードスライムとパンドラの使徒は墓地へ送られる」


「だがこの瞬間パンドラの使徒が破壊され墓地へ送られた時、手札からパンドラの箱を後列に召喚できるのさ」


パンドラの箱は相手のドローフェイズでデッキから4枚のカードを墓地へ送る効果がある。後列におけばモンスターとの戦闘では破壊されなくなるため、ターンが経過するほど相手は不利になる。


「さらに俺はギミックボックスを召喚だ。ターンエンドだ」


カニキングの出したギミックボックスは攻撃は出来ないけど相手のターン開始時にプレイヤーはドローしドローしたカードをデッキの下に戻す。ドローしたモンスターのコストの分相手はデッキから墓地に送らなければならない。


「僕のターンだな」


「おっと、ここで俺は1枚引かせてもらうぜ」


カニキングが引いたカードはコスト6、よってパンドラの箱の効果もあり、デッキから10枚墓地へ送ったもらおう。ジュンは黙って10枚墓地に送る。


「その程度で高笑いか、笑わせるな!僕のターン!僕のターンだ」


ジュンの鋭い眼光と威圧感からは誰もが震えを感じた。


「僕はタロットスライムの効果を発動!デスティニークラッシュ!」


タロットスライムが引いたのは月のカードだ。


「月のタロットの効果は相手モンスターを一体破壊する効果がある。それにより相手モンスターを1たいデッキに戻す。消えろギミックボックス」


ギミックボックスが倒され、場にはパンドラの箱のみが残る。


「僕はコスト7のパラダイススライムを召喚だ。アビリティ発動!このカードはダイスを振り出た目の枚数墓地へ送り、その中から1体をスカウトできるのさ」


ジュンは手の中でシャカシャカと鳴らせてダイスを転がす。出た目は4だ。よって4枚墓地へ送られる。


「デビルボックスか…面白いこいつをスカウトさせてもらおうか」


デビルボックス。コスト7の上級カードでパワー2000ガード7000ブレイク5シールド4でアビリティが相手ターン時に相手のエネルギーゾーンのカードと山札をそれぞれ1枚墓地へ送る。


「デビルボックスとタロットスライム、そしてパラダイススライムでダイレクトアタックだ!」


6+5+6の17舞が墓地へ送られる。カニキングのデッキ枚数は5枚だ。


「これは…俺の負けかな…」


カニキングはカードを引く。そのカードを見て降参ボタンを押した。


ジュン…タロットスライムという未知のカードを使うデュエリスト。タロットスライムはゲームの乱数により効果が変わり、プレイヤーのバトルフェイズでタロットを引く効果が発生する。

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