第13話 オープン神獣デッキ

マルタとガイと待ち合わせをしていたユータは噴水のある公園のベンチに座っていた。そんな中スクリーンモニターにクラッシュモンスターズの新たな通知PVが流れる。


クラッシュモンスターズプレイヤーのみんな!もうカードは集まっているか!?6月2日から新しくネット対戦、ランキングバトルが開催されるぞ!ランキングバトルはメニューのネット対戦からランキングバトルを申し込むと自動的にプレイヤーとマッチして、デュエルすることになる!勝ったプレイヤーはレーティングポイントが上がり、負けたプレイヤーはレーティングポイントが下がるぞ!一定数ポイントが上がると、ボーナスとしてレアカードが手に入るから、どんどん挑戦してくれ!ではまた会おう!


通信が途絶え、テレビで流れるコマーシャルが映される。


「ユータ!待たせちゃってゴメンね…」


「よお、マルタ。今日も狩りに付き合ってくれるか?」


「いいよ、私もレベル上げしたいし。ガイはまだ来てないの?」


どうやらまだガイは来ていないようだ。どこかで道草食ってるか、約束を忘れているのかもしれない。


「それよりユータ。ちょっと私とデュエルしてみない?新しいデッキを試してみたいの…」


「いいぜ。なら、俺の最強デッキで相手してやる。負けて後悔するなよ」


「そっちこそね」


マルタとユータはデュエルディスクを装着し、素早くデッキを装着する。コイントスでユータが先攻になる。ユータとマルタは互いにSP2、エネルギー2の状態になる。両者様子見といったところだ。そしてユータの3ターン目、裕太が攻撃を仕掛ける。


「俺は神獣ケルトを召喚!モンスター効果発動。このカードを場に出した時、プレイヤーは3枚ドローし、エンドフェイズに手札を2枚捨てる」


神獣ケルトは神獣ケルトリスの種となるモンスターだ。神獣シリーズには神獣の親子の関係があり、種となる神獣モンスターを墓地へ送ることで進化後の神獣を召喚できるのだ。


「俺はケルトを墓地に送り神獣ケルトリスを召喚!モンスター効果発動。このカードを召喚した時、手札からコスト3以下の神獣モンスターを召喚できる!あらわれよ!神獣パトラ!神獣パトラのモンスター効果で山札から3枚エネルギーゾーンにおく。そして神獣パトラを生贄に手札から神獣アルパトラを召喚だ!さらに神獣アルパトラの効果でエネルギーゾーンのコスト3以下のモンスターを召喚できる!こい!神獣アクア」


「ユータさんのワンマンショーだよ…」


「アクアのモンスター効果で墓地のカードを一枚手札に加える。そして手札の神獣アクアトアを召喚だ!神獣アクアトア!ケルトリス!アルパトラでダイレクトアタックだ!」


「うう…ユータさん強いです…たった3ターン目で上級レベルの神獣を3体召喚するなんて…」


3体の神獣カードのブレイクは5。よって15枚墓地に送られる。


「私のターン!」


マルタが召喚できるのはコスト3のゴーレムだけだ。パワー2000 ガード3000ブレイク3シールド1、アビリティが相手モンスターの攻撃を1度だけ対象をこのカードにする効果だ。マルタはゴーレムを召喚する。


「もう、もう残された手はこれしかないわね、ゴーレムでスカウトアタックです!」


「無駄だ、上級レベルの神獣モンスターはスカウトアタックが通用しないんだ…」


「そんな…」


速攻性と高い戦闘力、そしてスカウトアタックの無効化、こんなの勝ち目がない…。マルタは何もできず、ターンエンドする。これが神獣デッキの強さだ。


「俺のターンドロー!」


WORLDの無条件で勝つ必殺技エンドオブ・ザ・ワールドを使うまでもない。神獣デッキの無限の可能性を今ここに放つ。


「コスト5以上の神獣モンスターが3種類以上いる時、JOKERをコスト無しで召喚できる!JOKERは場に出した時、デッキからJOKER以外の神獣モンスターを手札に加えられる。俺はWORLDを選択するぜ」


ユータはWORLDを手札に加える。そしてユータはスペシャルマジック「リライト」を発動する。リライトはSPを3消費することでエネルギーを2枚貯められる効果がある。


「俺はコスト7のWORLDを召喚だ!WORLDのスキルはSPがないので使えないがWORLDのブレイクは8、JOKERは7、他の神獣達は5合計30だ。マルタのデッキは残り25枚。この意味が分かるか?」


「はい…」


マルタは泣きそうな顔で返事する。まあ、ここまでフルボッコにされたら仕方か。

ユータの一斉攻撃でマルタの山札は0になる。


「ひどいですよユータさん!もう少し手加減というものをですね…」


「はいはい、ごめんごめん」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る