第12話 神獣の奇跡

そろそろお金も貯まってきたので、スタンダードパックを買おうと考えてる裕太はギルドのショップコーナーに足を運んだ。パックはシリーズごとに名前があり、例を挙げるならば、光の先導者とか魔獣の格闘王などがある。今発売されてるのは10種類だ。


「さて、ここからがシンキングタイムだ。俺が作ろうと思ってるのはネットのおすすめにもあった、オープン神獣デッキだ。神獣カードを揃えるにはスタンダードパックの神獣の奇跡のシリーズを揃えなければならないし、神獣の奇跡だけを購入してもデッキを完成させることはできない。一式のカードを3枚ずつ、クラッシュモンスターズでは同じカードは3枚ずつしか入れられない。神獣カードを3枚ずつ揃えるには少なくとも3箱分購入する必要があるだろう。一箱が30パック入りで30パック、そして3箱だから90パック。1パック5枚入りだから、450枚だ。


「すみませーん。神獣の奇跡のパックを3箱下さい」


ショップの定員をするのはNPCのお姉さんだ。クラッシュモンスターズのマスコットキャラ、ピヨッピの服を着てレジで客の対応をしてる。このゲーム内ではパックの売り切れパックないが、スタンダードデッキに関しては売り切れが存在し、多くのプレイヤーがスタンダードデッキを購入する今、どのデッキも売り切れ状態だ。


「毎度ありがとうございました。またお越しください」


裕太は箱を3つ入れた袋を手に持ち、テーブルに着きカードの開封を行う。神獣シリーズは場に3体の神獣を並べ、神獣の王のWORLDを召喚し、SPを5勝利することで無条件で相手に勝利できるという、とても強力的な効果を持っている。なぜ裕太が最初に神獣デッキを作ろうとしたかという理由には3つある。一つはWIKIのデッキレシピの中で、最も性能があり、汎用性が高いデッキだからである。2つめはこのデッキはわざわざWORLDを召喚しなくても、速攻性があるアタッカーの神獣は攻撃面防御面ともに優れているからである。3つめはRPGで手に入るモンスターカードだ。神獣デッキは主に3体のエースカードとWORLD、そして補佐となる+@(プラスアルファ)のカードでデッキを組むのがメインだ。その汎用性がある神獣デッキを今回作ろうと思ったのである。だがわざわざRPGモンスターカードを採用しなくても強力なので、神獣デッキは最初のデッキとして適任だと思った。


「まずはWORLDのカードを引き当てないとな…確かWORLDが出てくる確率って3%だっけ…。WORLDのカードはデッキに1枚だけあればいいから、こいよこいよ!」


1パック目無し、2パック目無し、3パック目無し…30パック目無し…。神獣ケルトリス、神獣アルパトラ、神獣ドガドーン、神獣アクアトア、神獣フレアデス。


「今、メインアタッカーの神獣を5体引き当てたことになるな…。この中で使うとなると5体のうち3体だ。さてどのカードを使うか…まあ、他のパックを確認してから考えるか」


31パック目無し32パック目無し…60パック目・・・WORLDが入っていた!


「よっしゃキター!ついに引き当てたぜ」


裕太が声をあげて言ったことで周りのプレイヤーの注目の的になり、一旦席で大人しくする。ついに引いた。WORLDが引いたから、後は神獣モンスターのピースを揃えるだけだ。


「90パック目と…これでスペシャルマジックもかなり揃ったな…デッキ完成とまではいかないが、未完成の形でも一応50枚は揃えておくか」


裕太はメニュー画面からデッキカスタマイズを開き、しばらく入手したカードリストとにらめっこして、デッキ構築に専念する。デッキカスタマイズでは10個までデッキを構築することができ、カード一覧には手に入れたカードのリストや手に入れた枚数が表示される。カードリストのカードをタップしてデッキリストの枠に入れれば、デッキリストに含まれるようになる。



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