第10話 森の番人
ウッドゴーレムは弱点が炎と風であり、耐性は水と雷である。ウッドゴーレム撃破に向けてマルタとガイとユータの3人は装備とアイテムの補充をする。
「ウッドゴーレムは手強い相手だが、奴らの弱点をつけるメテオ爆弾をいくつか持っておけば、攻略できるはずだ」
ユータは所持してる9個のメテオ爆弾を3つずつ3人で等分する。
「ウッドゴーレムのおすすめレベルって30ですよね。私のレベルまだ18なんですけど」
マルタは現在の自分のステータスとレベルが30から程遠く、無理ゲーだと感じた。ガイはマルタの肩をポンと手を乗せる。
「俺だって18レベルだぜお嬢ちゃん、まあユータのやつにかけてみるしかないだろ」
「でも死んだらデスペナルティで30分ゲームをプレイできなくなるんですよ。せっかくの貴重な時間を無駄にしたくないですよ」
このゲームではRPGのアーカランド大陸のアフレニア王国の外で戦闘不能になった時、敵が落としたドロップアイテムを全て失い、30分プレイ不可になる。
否応ながらも3人はウッドゴーレムがいるユーリの森というダンジョンに到達する。それで現れる敵は主に人喰い草だ。巨大な口がある植物で標的を見つけたら、草むらに身を潜め、狙った獲物を丸呑みにする。ユータたちはなるべくHPが削られないようレベル上げも兼ねて人食い草を狩る。人食い草をカード化した時の効果はコスト4、パワー4000 ガード3000 ブレイク4 シールド2 アビリティが場に出した時、場のコスト3以下のカードを1枚墓地に送るという効果を持っている。後列にいる低コストモンスターを確実に倒せる点は魅力的だ。
「着いたぞ」
ガイはそう言うとユータとマルタは辺りを見渡す。
「いいか、マルタとガイはとにかくメテオ爆弾を確実に当てることに専念しろ。俺は肉壁になって攻撃を受け続けてリミットゲージを溜める。ある程度HPを削ったら、俺の必殺技、疾風迅雷剣でトドメをさす」
「分かったよ」
「いくぞー!!」
ボスのフロアへ足を踏み入ると木の陰から巨体のウッドゴーレムが姿を現す。
ユータはウッドゴーレムにそのまま突撃し、防御体制をとる。ウッドゴーレムのパンチをユータが受け、その隙にマルタとガイはメテオ爆弾でダメージを与える。ユータのHPが半分を切ったところでリミットゲージが満タンになる。ここで疾風迅雷剣を決めようとしたその時だった。
「新手よ、みんな気をつけて!」
ウッドゴーレムは突然現れた人食い草の後ろに移動する。このままでは疾風迅雷剣が届かない。ユータは邪魔な人食い草を魔人剣で粉砕する。ユータが人食い草に気を取られている間、マルタが複数の人食い草に襲われ、HPが残り3分の1になる。
「まずい。このままではマルタが…。仕方がない疾風迅雷剣発動!」
標的をマルタを襲ってる複数の人食い草に絞り、技を発動する。地獄から呼び出される強力な雷で粉砕する。
「ユータ…ありがとう。でも作戦が…」
「ヒール発動!」
マルタは緑の光に包まれHPゲージが回復する。
「ユータ、作戦が…」
「なーに、気にするなって。もうここからはゴリ押ししかないさ。死にたくなけりゃ脱出ホールを使って逃げればいいさ」
マルタとガイは顔を見合わせて、うなづく。
「ここまできたんだから逃げるわけにはいかないでしょ」
「そうだぜ、ユータにしては上出来な策だったぜ。ここからは死んでも恨みっこなしさ」
3人は捨て身でウッドゴーレムにツッコミそれぞれの剣技を発動する。半分削ったHPゲージだが、そこからHPの減少は微々たるものだった。やはりメテオ爆弾の存在が大きかったと言える。
「何?なんだかウッドゴーレムの様子がおかしいわ」
ウッドゴーレムは体から白い光を放つ。これはウッドゴーレムのリミットブレイクだ。そして3人にウッドゴーレムの必殺技、爆裂拳が放たれる。
「ここまでね…」
「あとは頼むぞ!ユータ」
ガイとマルタは今の一撃でHPが0になり、消滅する。あと残されたHPは5。ヒールの詠唱をしている暇はない。次の一撃で決めなければ。しかし普通に攻撃しても反撃で倒されてしまう。幸いなことにウッドゴーレムは必殺技発動の反動で動けずにいる。
「いくぞゴラァ!魔人激烈流星群!」
このタイミングで新しい技の習得が来た。通常攻撃は最大3連続でそれと剣技や魔法を組み合わせることで7~10連続の攻撃になる。そして魔人激烈流星群は15連続の超強力的な一撃である。
STAGE CLEAR
裕太の視界にその文字が浮かび上がる。
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