第8話 魔王の襲撃
「俺は手札のスラ忍レッドを墓地に送ることで相手モンスター1体を相手の手札に戻す。つまり魔王の左腕を手札に戻させてもらうぜ!」
「やるじゃない…」
裕太のターン。1枚ドローする。残りデッキ37枚。スラ忍ブルー。コスト3のモンスターでパワー3000ガード1000ブレイク3シールド1だ。このカードは手札から捨てた時、味方のスラ忍モンスターのパワーとガードを+3000する効果がある。
「俺はスラ忍ブルーを召喚する。スラ忍ブルーとレッドでダイレクトアタックだ!」
ブレイクは合計6。つまり6枚を山札から墓地に送られる。
鈴のデッキは残り29枚だ。
鈴のターン。鈴はカードを引く。
「私はスペシャルマジックキャストを発動します。その効果でSPゾーンのカードを3枚墓地へ送り、2枚山札からエネルギーゾーンへ置きます」
鈴のエネルギーゾーンのカードは6枚。となると出てくるモンスターはデッキのエースモンスターの魔王か…。
「私は魔竜デモンを召喚します」
これが鈴のエースモンスター。暗黒の力を纏いし龍が世界を漆黒の闇に葬り去る!魔竜デモンのキャッチフレーズだ。魔竜デモンは場に出した時パワー4000以下のモンスターを全て墓地へ送る。さらに両プレイヤーはコスト3以下のモンスターを召喚できなくなる。なんと無茶苦茶な効果だ。日本人で発売を廃止されるのも納得である。
魔竜デモンの効果でスラ忍レッドとブルーは墓地へ置かれる。裕太の場がガラ空きなのを狙い魔竜デモンでダイレクトアタックを仕掛ける。ブレイクが6なのでデッキから6枚のカードが墓地へ置かれる。
裕太はカードを引く。裕太が発動したのはスラ忍イエローの効果だ。スラ忍イエローは手札から墓地へ送ることで相手のモンスター効果をこのターン無効にできる。
「俺はスラ仙人を召喚だ。こいつのコストは3だが、スラ忍イエローの効果で魔竜デモンの効果を無効化したため、召喚できる。このカードは場に出た時、墓地の3種類のスラ忍と名のつくカードを3枚ある時、このカードを墓地へ送ることで、デッキからコスト6のモンスターを召喚できる」
この効果で呼び出すモンスターは裕太のデッキのエースモンスター!スラブラスター
スラブラスターは墓地のスラ忍と名のついたカード1まいにつきパワー+1000される。スラブラスターの元々のパワーは5000。つまりパワー9000だ。魔竜デモンのガードは6000。これでパワーが裏回った。
「いけ!スラブラスター!魔竜デモンを攻撃だ!」
「クラッシュタイムよ」
鈴と裕太はデッキの1番上をめくる。お互いのめくったクラッシュは1枚のドロー。よってスラブラスターの攻撃が通り魔竜デモンを撃破。そして魔王デッキの最大の弱点が倒された時、デッキから5枚墓地に送らなければならないという点だ。
鈴のデッキは残り21枚。ようやく後半戦に突入というわけだ。
「私のターンドロー!私はスペシャルマジック、闇のオーブを発動するわ」
闇のオーブ。このカードは魔王モンスターが場から離れる時、1度だけそれを無効にできるというカードだ。鬼に金棒というわけだ。
「私は悪魔王ヘルダントを召喚よ。モンスター効果であなたはコスト3以下のモンスターの効果を発動できないわ。そして場に出した時、相手モンスター1体を破壊する」
スラブラスターが破壊される。裕太の場にモンスターがいなくなり、場がガラ空きとなる。例のごとく攻撃され山札を7枚墓地へ送る。残りデッキ21枚。
「俺のターン。俺はスペシャルマジックメテオクラッシュ発動!」
メテオクラッシュはSPを5消費するカードで、相手の場のカードを1枚破壊する効果を持っている。これにより闇のオーブを消滅させることはできた。だが今ヘルダントを破壊する手段はない…。
「俺はスラ忍シルバーを召喚!スラ忍シルバーでブレイクアタック!」
ブレイクアタックはモンスターが破壊されないが、ブレイクの数値からシールドの数値を引いた分、相手の山札を墓地へ送ることができる。スラ忍シルバーのブレイクは5で悪魔王ヘルダントのシールドは3だから、山札を2枚削れることになる。だけどブレイクアタックにもクラッシュがあり、攻撃したプレイヤーがクラッシュでブレイクを増やす効果を引いた時、上乗せされる。
裕太はカードをめくる。引いたクラッシュはブレイク+2
これにより鈴の山札を4枚削ることになった。
残り15枚。あともう少しで勝てると思いたいところだが、裕太はもう理解していた。
このデュエル。圧倒的にこちらが不利だということを
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