第3話 パンドラの箱
裕太のSPゾーンカードは2枚でエネルギーゾーン4枚でガイのSPゾーンは2エネルギーゾーンは3枚だった。
「次は俺様のターンだ」
ガイはディスクからカードを引く。そのカードが良いカードだったためかヒャヒャヒャと笑う。
「引いちまったぜ!俺様はパンドラの箱を後列に召喚だ!」
クラッシュモンスターズではモンスターを前列後列に置くことができる。後列には1体しか出せないが、その代わり後列モンスターは攻撃を受けない。そのため後列にエースモンスターが置かれることが多いんだ。
「いくぜ俺のターン」
「ちょっと待ってもらおうか!」
ガイは指をチッチッチと左右に振り、テキストを読み上げる。
「パンドラの箱はな、攻撃は出来ないが、その代わりに相手のターンごとに4枚山札から墓地へ送ってもらうぜ」
くそっ!と声をあげ裕太はデッキから4枚墓地へ送る。
デッキの枚数は30枚だ。余裕があるとはいえ、これから毎ターンドローとパンドラの箱の効果で山札を削られるとして、毎ターン5枚だから少なくとも後6ターンだ。SPチャージやモンスターとの殴り合いを想定して5ターンあるかどうかのレベルだ。
だが諦めるわけにはいかない!
「俺はコスト4のケンタウロスを召喚だ。前列!」
やつの場にはパンドラの箱しかいない。後列にしかモンスターがいない時、相手プレイヤーに直接攻撃ができる。
ケンタウロス コスト4
パワー4000 ガード2000
ブレイク4 シールド2
モンスターにはパワー、ガード、ブレイク、シールドの4つのステータスがある。パワー、ガードはモンスターの戦闘力、ブレイク、シールドがデッキ破壊の性能だ。
「ケンタウロスでガイに攻撃だ!」
「ぐ、、、やるじゃねえか!」
今の攻撃でガイはブレイクの数値分、つまり4枚を山札から墓地に捨てないといけない。これでやつの山札は28枚だ。
今の攻撃で優位になったように見えるが、パンドラの箱を何とかしないと勝機はない…。やはりモンスター効果がほぼ無い初心者用デッキではどうしてもストラクチャーデッキより劣ってしまうか…。
ガイはカードを引いた。そしてエネルギーをチャージして新たなモンスターを呼び出した。
「ででこい!命削りの死神!こいつでもう勝ちが決まったも同然だな!」
命削りの死神…こいつの効果は相手のドローフェイズ時前に、相手の手札を1枚捨てさせる効果がある。しかし攻撃は出来ない。
パンドラの箱デッキは自分はほとんど攻撃しない代わりにモンスター効果で相手を妨害するデッキだ。くそっ!いつもの俺のデッキなら苦戦はしないのに…。裕太は拳を強く握りしめる。
裕太はドローした。デッキを4枚墓地に送る。引いたカードはエルフの狩人。このカードは相手の後列モンスターを攻撃できるカードだ。しかしパワーは3000。パンドラの箱のガード4000。ここは一か八かの勝負をするしかない!
「いけ!エルフの狩人!パンドラの箱に攻撃だ!」
「バカな!パワー3000のエルフの狩人でガード4000のパンドラの箱に攻撃だと!死ぬ気か!?」
このゲームにおける最大のキーポイント。それはモンスターが持ってるクラッシュ効果だ。クラッシュはモンスター同士の戦闘時に発生し、山札から1枚めくる。その時めくったクラッシュ効果でパワーが上がったり、ブレイクが上がったり、ガードが上がったりする。
「いくぞ!クラッシュドロー!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます