番外 夜坂中学新聞
夜坂中学新聞 20✖✖年 4月 1✖日号
突撃! 学校の著名人 第二回「四十一代エロマンガ道、最高師範 陣内凜ノ助」
――私、
凜ノ助(以下『凛』) いやあ、どうもどうも。そんなに有名かな?
――そりゃあもう夜坂中の四天王入りしてますし。「変態の貴公子」ですね。風呂のぞき、下着泥棒、盗撮、女装、屋外露出、パンツ土下座に全裸ダンスと華麗な遍歴があるとの噂ですが?
凛 待って欲しい、最後のはやってないぞ? 記者が正確なことを書かないのはよして欲しいな。
――最後以外全部やってるんですねどうも本当にありがとうございました。
凛 いやいや未だ精進の身、礼を言われる程の者ではない。
――バカは死ななきゃ治らないって言うけど一回死んでゲフンゲフン。
さて、今日は、えー「エロマンガ道」について取材することに残念ながらなってしまったわけですが、エロマンガ道とは何でしょうか。詳しくなくて良いんで教えて下さい。
凛 これは師範として威儀を正してお答えせねばいけませんね。
エロマンガ道とは室町時代、三代将軍足利義満の時代の武士、絵呂田絵呂右衛門(えろたえろえもん、1342~1393)を発祥とし、師から弟子へと秘儀として伝わった芸道です。
性教育の議論が活発に行われ、青少年の性の乱れが目立つ昨今、改めて今、このエロマンガ道が見直される時が着たのではないでしょうか?
――うわあ、「性の乱れ」の代表取締役みてーなのが言うと説得力が違いますね。それではエロマンガ道の基本理念を教えて下さい。
凛 エロマンガ道では、エロ本を読みながら鼻息を荒くしたり、生唾を飲み込んだりすることを美しくないと考えます。エロ本を読みながらあくまでも優雅に美しく。
猛く荒れ狂う性欲と「和」の精神の合体を目指すものです。……どうでもいいけど、「合体」て言葉良く考えたらエロくね?
――本当にどうでもいいですね。エロマンガの本質というものを、どのように考えているんでしょうか?
凛 魂の共鳴であるとエロマンガ道では考えます。世の中には無数に等しい数のエロ本があります。それこそ、三千世界のように、性癖というのは人の数だけあるわけです。
その中で、自分と同じ性癖と出会えた悦び。これは奇跡と言っても過言ではありません。
自分と同じ性癖に出会うというのは、砂漠の中に紛れる、一粒の砂金を見つけるようなものです。
一期一会、エロマンガと出会えた悦びを噛みしめたいものですね。
――噛み締めたまま永遠に黙ってろエロマンガ道の修行とはどんなものですか?
凛 とても辛く、血の滲むような修行が必要です。
まず朝五時に起床、建物の清掃をし、座禅、後朝食の前にエロマンガを読みます。午前の修行でもまたもやエロマンガ、昼食を挟んでやっぱりエロマンガ、三時の茶会の後に安定のエロマンガ、夕食と夜の座禅後にどうしてもエロマンガです。
これを一ヶ月続けます。とても厳しい修行で脱落者が毎回出てしまいますが、体得できた時の悦びもひとしおです。
――とても厳しいのはテメーの頭の方ということが良く分かりました。今日はどうもお忙しい中ありがとうございました。
凛 いやいや、一人でも多くの人間にエロマンガ道を知り修行して欲しい。私からも感謝したいな。
※編集注 冒頭に「超変人」という不適切かつ誤った表記がありました。編集段階で誤って記入してしまったものです。記者が書いた正しい表記は「脳みそイカれポンチ野郎」でした。深くお詫び申し上げます。
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