第26話 前 ランクアップクエスト
「カイルさん、おめでとうございます。カイルさんの実力がギルドに認められてランクアップクエストを受けられるようになりました」
「おお、ついに」
「はい。ですが、カイルさんの他に、もう一人。もとい、もう一チームがこのクエストに参加します。ランクアップ出来るチームは一チームだけです」
「競争されるわけか」
「はい。冒険者というのは競争激しい職業なんですから」
「それで、僕達の競争相手は何処に?」
「さ、ユリウスさん、こちらへどうぞ。こちらがdランク冒険者、自由と正義の皆様です。そして、こちらがユリウスさんです」
「他のメンバーは?」
「俺の名はユリウス! この国最高の剣士だ!」
「ユリウスは1人チームです。このクエストを受けるためだけに新首都に来ました」
また一人チーム。一人チームはみんな何かの特長があるはず。でも最高の剣士なんて言ってる。いや、ありえない。最高の剣士さんは一人で蛭10匹を倒せる程強いと言わないよね?
「では、クエストの内容について説明致します。新首都ダンジョンに潜って貰います。そこでモンスターを倒して貰えます。1匹につき1ポイントを貰えます。ダンジョン主を倒したチームは100ポイントを貰えます。そして、ギルドはダンジョンの中にあの品を隠しました。それを見つけ出したチームは150ポイント貰えます。一流冒険者なら見つけられるように隠れております」
より多く魔獣を倒せたチームがランクアップするわけだね。でも、ダンジョン主は100ポイントか。ダンジョン主は1匹しかないから早い者勝ちだね。探し物は150ポイントなんだけど、探しても必ず見つけるわけでもない。
「クエストは明後日の十時からです。時限は1日。ボス部屋は一チームが入ったら戦闘が終わるまで入り口と出口が閉鎖されます。ダンジョン主は夜になると弱くなり、魔物は夜になると凶暴化します」
でもダンジョン主は早い者勝ち。夜まで待っていられるわけない。
「説明は以上になります。何か質問ありますから?」
聞きたいことは色々あるけど、私が聞けるはずない。私が聞くと、みんなが私を注目して、私も緊張する。そしたらうまく喋られなくて…。そんで、みんなをイライラさせて、私はもっと緊張する。ダメ、聞けるはずない。
「受付のお姉さん、ちょっといい?」
「はい」
聞かないと。でも聞けない。自分が嫌いだ。
「みんな、今日はこれで解散だ。明日作戦会議するから僕の部屋に集めて。ケイリは残って」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます