第25話 後 神官
「機動力のメイと防御のケイリだな。二人が居てくれて本当に良かった」
「カイル、私勝ったよ。何か言いたいことはない?」
「すごかったよ、メイ。ケイリもよく頑張った」
「呆れた。私を褒める度にケイリを褒めるのね。もう帰る」
どうやらケイリが来たことで、いや、帰ってきたことで波風が立ったようだ。正直ケイリのことはよく知らない。私が入る前にどっかに行ってたみたい。
私は受付嬢の紹介でこのパティーに入った。いきなりdランクのパティーに入れるなんでびっくりしたけど報酬が高くて助かった。
司祭になると財産を持つことが許されない代わりに、生活費用は神殿がもつ。生活に困ることはないけど、一生女神様に仕えるつもりはない。だから私は司祭になる機会を諦めて、冒険者になった。
冒険者になったら二度と神官として神殿に戻ることはできない。だから冒険者になることは神官にとって大きな賭けになる。冒険者になる神官なんて実はそんなに多くない。
そんな私が、ギルドの受付嬢におすすめのパーティを紹介してくれって頼んだら、カイルのパーティに入ることになった。
いいパーティだと思う。チームワークもいいし。初めてのクエストも楽だった。報酬は山分け。本当にこのパーティに入れてよかったと思う。
私も徐々にみんなと打ち解けるようになった。そんなある日、私は口を滑ってクッソって言ってしまった。神官が汚い言葉を口にするのはご法度だと言うのに。何年も楽しい会話をしたことなかったからハメ外しすぎたかな? 流石にみんなの顔が引きつった。そして私は必死に誤魔化そうとした。くっそ、くそ、くすん。先はくすんと言いたかったふりをした。上手く誤魔化したかどうかはわからないけどみんなは聞かなかったことにした。その場はやり過ぎしたがどうやら私は学習能力がないらしい。またクッソ言いちゃった。何年も言ったことのない言葉を1日で二回も言っちゃうなんて…。
そしたら、カイルが仲間だからそんなの気にしなくていいからって言ってくれた。その夜、メイが私の部屋に来て、カイルのことが好きかと聞かれた。知り合った日も浅いから流石に恋愛感情の好きだと思わなかったから好きと言った。メイはあっそう、じゃあライバルだねと私に言った。
このパーティは好きだから変わって欲しくない。平和な毎日を過ごせるように女神様に祈ろう。
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