第15話 後 サイ
まただ。今後もこの弓を使う限り私は見くびられ続けるでしょ。でもまあ、ちょっと慣れたし。また逃げ出しても面倒がられるだけ。ここは耐えよう。
「そんなことないよ。ケイリはこのパーティにとって必要不可欠な存在なんだ。メイもそう思うだろう?」
「まあ、ケイリがいなければ今頃マイクはどうなったか…」
「もちろんメアリーもそう思うだろう?」
「うん、私は最初からケイリのことを高く評価してるよ。勧誘うまいし」
みんな! 今までの努力は無駄じゃなかった!
「そうか、そうだったのか。ケイリ、お詫びするよ」
「あ、いや、あたしは…」
気にしてないから? ううん、気にしてた。
「あ、気にし、ないで」
「話戻るけど、うちと組まない」
「そうだな、組もう。ただし、僕とケイリの装備が揃うまでだ。僕たちはこの街に留まるつもりはないからな」
「それで構わない。あ、俺はサイ、盾剣士だ。あと二人いるけど、明日自己紹介させるよ。では」
「「「「では」」」」
「僕たちも解散だ」
「うん」
遂にか…店主さんに謝りに行かないとね。
「店主さん、ごめん、なさい」
「謝らないで。どうしたの?」
「解毒のワンドを、使い切っても、ギラティネを、倒せませんでした」
「なんだ、そんなことか。あのワンドは嬢ちゃんにあげたから別に謝らくても大丈夫だよ」
「店主さん、私、強く、なりたい、です」
「そうか、おっさんに任せとけ」
「あ、でも、私、お金が…」
「あはは、なんだ、お金の心配ならいらないさ」
「でも…」
「大丈夫、アイテムはおっさんのものだから、おっさんの好きなように使わせて貰うよ」
店主さんいい人だ。でも本当に甘いちゃっていいのか?
「嬢ちゃん、アイテム使いは様々な状況に対応出来る。これをちゃんと読んで。これはおっさんが整理したアイテムのリストだ。状況に応じてアイテムを選んで、敵の弱点を確実につけるのはアイテム使いの強みだ。音に弱い魔物に音爆弾を使ったり、スピードが速い魔物相手に撒菱を巻いたりしたら、戦況を変えられる。今は焦らずにリストを暗記するんだ、そうすれば強くなれる」
「ありがとう、店主さん」
はあ、今日は色々ありすぎて疲れた。うん、色々あったな…
尻かぁ…尻で…いや、お父さんとお母さんが…うん…してるところを遭遇したことがあるからやり方は一応知ってる。でも、尻か…男同士は尻でするのか…しかも、掘る…
「ふっ、ふふふ」
もしカイル兄さんが男性に恋をしたら、掘る側か、掘られる側なのかな?
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