第15話 前 尻

「嫉妬だとぉ? 俺は…」

「見苦しいぞ…わかった、わかった、尻、貸してやるよ、掘っていいぞ」

「誰がテメェの汚い尻なんか…ってーかテメェ神官だろう? こんなこと言っていいのか?」

「神はこう仰った、友人のために命を差し出せと、だから僕は友人の性欲のためにお尻を差し出すんだ」

「「「「ぶー! はははは」」」」


面白いね、この人、怒った私はバカみたい。


「邪魔して悪かったな、頑張るんだよ」


この尻の人結構いい人かも…


「それにしても、ケイリが怒ると、そうなるのね。びっくりした」

「それは…」

「私も、初めて見た時は本当にびくっりしたよ」

「え、メイ、初めてじゃないのか?」

「あ、メイさん、やめて」

「まぁ、ケイリの母さんと比べれば、ケイリは全然怖くないよ、むしろ、ちょっとギャップがあって、可愛く見える」


カイル兄さん…なんか恥ずかしい…


「呆れた、カイル、お前、よくこんなことを軽々しく口にできるものね」

「はは、辛辣だね、メイは…」


ちょっと羨ましいかも。私なら、カイル兄さんとこんなやりとりできないもの。


「確かカイルだったか?」


また?


「そうだけど…」

「なぁ、うちと組まない?」

「え、でも、どうして?」

「そうだな、お前達はリタイアしたが、誰も死んでいない。だから、カイル、お前はなかなか優秀なリーダーだと俺は見込んでいる」

「でも組むって、何のために?」

「実はさ、あのギラティネのクエストは、一ヶ月前からあったんだ。でも月明りはcランクのクエストで手こずってる。先のチームも…」

「お…お尻の?」

「ははは…酷いな、この子」

「ケイリ…」

「ごめん…」

「いや、話戻るけど、あの尻のチームもギラティネのクエストを受けるといつも言っているが、最初にあのクエストを受けたのはお前達だ。ダンジュン主も倒せるほどの実力を持っているお前達とならいいパーティになれる」

「組む必要は何処にある? 人数が多いほど一人で分けられる報酬も減るんだぞ」

「でも、組んだらeランクのクエストを独占できるんだ」

「はぁ?」

「報酬は両チームで山分けする」

「ちょっと仲間と相談したのだが」

「ああ、その前に、自己紹介してくれない? 名前は知ってるけど、役割とか」

「いいよ、僕はカイル、このパーティのリーダーで、剣士だ」

「メイよ、召喚士で槍使いだ」

「メアリー、魔法使い」

「わ、私は…」

「こっちはケイリ、ケイリも召喚士だ」

「違う、私は…」

「あ、そう、ケイリはうちの頭脳で、射手だ」

「射手? 弓持ってないけど」

「これは…ケイリは魔法の弓を使うんだ」

「魔法の弓って、例の?」

「ああ、そうだけど、ケイリは凄いよ」

「忠告しよ、実力が足りないメンバーをパーティに入れるのは危険だぞ。彼女にとっても、他のメンバーにとっても」

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