第14話 後 ハーレム

「ごめんなさい、メアリーのお姉さん。クエストリタイアするよ」

「そうですか、わかりました」

「おい、クエストリタイアしたって…」


え、なんかひそひそ声が聞こえたけど…


「なんか僕達、注目されてる? 」

「それもそうよ、あなた達は冒険者になったばかりでダンジュン主を倒したから」

「ダンジュン主はそれほどの魔物だったのか?」

「いいえ、ダンジュン主が強いわけではなく、ここの冒険者が弱いんだ。あなた達を含めてこの街は六チームしか冒険者がいない。然も月明り以外のチームは全部eランクだ」

「どうしてeばかり?」

「ここは結構安全だからね。危ない魔物なんて滅多にいないよ。難しいクエストも月明りが引き受けるから」

「そう、私がいたパーティだ」

「そんなにすこいパーティにいたのか?」

「うん」


話がそれてるけど…


「あの、注目される理由…」


水を差したのかな?


「焦らないの。あなた達以外のeランクの冒険者は装備も揃ってるし、週一回のペースで依頼をうければ不自由なく暮れせるの。強い冒険者は皆がもっと強い魔物が出没してるところに行った。だから、この街にいる冒険者は簡単なクエストで食ってるんだよ。ここ安全だし、ギガントモンスターたまにしか出ないし。でも、依頼はそんなに多くないの。つまり、冒険者は依頼を取り合ってるんだ」

「おお、なるほど」


なら問題ないでしょ、カイル兄さんはここで満足する人間じゃない。上を目指しているの。装備が揃ったらこの街を離れるつもりだ。


「じゃあ、飯食べよう」

「何食べる?」

「よう、カイル」


知らないおじさんが話し掛けて来た…


「尻尾を巻いて逃げた感想は?」

「はぁ?」

「お前、リタイアしただろう?」

「そうだけど」

「情け無い」

「お前にそうなことを言われる筋合いはない」

「女ばかりと組むから弱いんだよ」


うわー


「呆れた、今時女性を差別する男がいるなんて」

「女は黙ってろ」

「おまっ」

「ハーレム作りたいからこうなるんだ」


ハーレム?


「ハーレムとは…何? 」

「ちょ、ケーリ、それは…」

「ハーレムとは、一人の男が複数な女に好かれてる状況を指すんだ」

「違うだ、ケイリ」

「何が違うだぁ〜? 実際女に囲まれてるんだろうぉ」


カイル兄さんが、ハーレムを作りたい? 違う、そうな…カイル兄さんは私のことを好きにならないの? 幼馴染だから、恋人になれるならとっくになってる? 違う、偶々入ってくれたメンバーが女性なだけ。このおっさん、言いたい放題して…


「黙れ、下衆が! お前の頭が腐ってるからそう見えるのよ。嫉妬丸出しの声聞かせないください! 反吐が出る…」

「ケイリ…? 」

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