第4話 足手纏い
あたしはメイ、あの日、あたしは一人の限界を知り、誰かとパーティを組もうと決意した。
けど、あたしは人と組む経験が少ない、だから、あたしはまだ連携を取れていない初心者と組むことにした。
それに、これは偏見かもしれないけど、高いランクの冒険者は召喚士の召喚獣を道具程度しか思っていないと聞く。召喚獣は召喚師にとっては家族みたいな存在なのにね。それと、召喚獣は殺されてもまた呼び出せると勘違いする人も多いらしい、そんなことはない、召喚獣が殺されたら新しい召喚獣と契約するしかない、一から訓練し直さないといけないんだ、何より、そんなの悲しい…
初心者は弱くてもいいと思うけど、なんか敬われすぎで落ち着かないんだ。それに、あたしは頼られすぎてちょっと嫌になった。あたしが求めているのは支え合える仲間だ、頼るのも、頼られるのも嫌い。
でも、中々いいパーティとは出会えなかった。
そこで、あたしは、このいかにも駆け出しの冒険者のような二人組と仮パーティを組むことにした。男の方はカイル、剣二本が腰に下げてる、二刀使いなのか、ただのスペアなのか。女の方はケイリ、この子、一体何しにここ、冒険者ギルドに来たという感じがする。武器を持っていないし、ロープや、杖、指輪と言ったマジックアイテムも装備していない。冒険者がお洒落な服を着て、冒険者ギルトに来る訳で何? でも、どうやら本当に冒険者のようだ…
召喚師だと言ってるけど、多分嘘だな、態度でわかる。
一体何しに来たのか… あぁ、わかった、いるよね、こういう頭の中に恋しかない女が。男ウケ狙うのはいいけど、冒険者になるのはやめてほしい。
ふん、せっかく誘ったから、クエスト一回は付き合ってやるよ。
でも、このケイリは本当にどうして冒険者になったのだろう? 男ウケ狙いなら別に冒険者じゃなくでも…うん、 聞いてみよう…
直接にケイリに聴くのはさすがに露骨過ぎかな、よし、カイルにも聞いてみよう。
カイルは、うん、ちょっと夢見すぎだ、でも、嫌いじゃない。それに、堂々と自分の夢を他人に教えるのは凄いことだと思ってる、自信を持つ証拠だからな。
ケイリは、はぁ、やはりか…冒険者は命を懸ける、危険な仕事だ、こんな理由で冒険者になったのか? 冒険者をなめるな! 本当に帰れよ!
「そういうメイこそ、どんなご立派な夢をおもちで? 」
あたしの夢はあんたの夢よりもずっと立派な夢だよ、どうだ? あたしの夢を嘲笑いたいだろうけど、どうだ? 返す言葉もないだろう!
「へぇ、偉そうな人だと思ったけど、結構尊敬出来るだな」
なんだよ、何なんだよ、褒めないでよ、それじゃあ、夢が偉いかどうかを気にしてるあたしがバカみたくなっちゃうじゃないか?
うん、まぁ、夢が褒められるのは悪い気分じゃない、このカイル、結構いいやつかも。向上心も高そうだし。顔も、まぁ、悪い方じゃないし。
カイルとならいいパーティになれるかもしれない、一点を除いてな。そう、このケイリとか言う女が。
なんなんだ、この女は、まるであたしが嫌い、嫉妬するものを全部混ぜ合わせてるみたい。特に、あの長い髪、あたしの髪も長かった、でも邪魔になるから切ってしまった。ケイリは自分がカテゴリー一の召喚獣と契約してると言ったな、もしそれが本当だったら、あたしより、髪を切るべきじゃないのか?
喋り方もだ、喋るのが遅すぎてイライラする。それに、敬語使わないでって言っただろう!
ダンジョンに入っだのに、どうして明かりの魔法石を使わない? あ、知らなかったのね、ダンジョンがこんな暗かったのを。思い出すな、初めてここに来た時、あたしも暗くて中に入れなかった。
「メイは優しんだな」
「ほ、褒めても無駄よ、パティーを組むかどうかは、君達の実力で判断するから」
普段なら頼られたくなくてイライラしてるところなんだけど、何故か、イライラしない。そうだな、カイルは夢を自信を持ってて、他人に頼りきる人じゃないとわかったからか?
また会ったな、ゾンビたち、アンデットは嫌いだ、あの子達の餌にならないからだ。あの子達は肉を食べると、短時間で強化するのだがな。
魔法の矢? なるほど、一応戦えるのか。でも、カイルはケイリを気にしてる、戦いに集中出来でいない、なに? 戦いをなめてるの? 命のやりとりなんだよ!
カイルとはパーティを組みたいと思うけど、ケイリはだめ、こんな足手纏いと組むならいずれは死ぬことになる。
そうだな、このままじゃカイルが死んちゃう、あたしかなとかしないと!
「カイル、これは忠告だ、ケイリと組むと、いずれ死ぬことになる、君のためにも
彼女のためにも…」
「おい、メイさん、ケイリの前でそんなこと言わないでよ、ケイリが傷付ける! 」
「あ、あたしは、別に、気にしない、から」
「いや、気にしてよ、わかんないの? 君はカイルの足手纏いになる! 」
「おい、メイさん、それ以上言ったら」
「言ったら? 」
「…」
「カイル兄さん、あたしとメイさん、二人にして、くれない、かな? 」
「はぁ? でも」
「心配しないで」
あたしと話したい?
「ケイリがそう言うのなら」
何が言っても無駄だ、君は冒険者になるべきじゃない、足を引っ張るしか能がないからな!
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