第2話 妹

この村には、魔法使いがいる、そこに行けば魔法適性を教えて貰える。


「うん、人並みだな、魔法使いは諦めた方がいい、君には召喚獣があるではないか? 」


召喚獣を使いたくないからここにいるではないか…


「そう、でしたか、ありがとうございました」


また召喚獣か、召喚獣を召喚したくないから、ここに来てるけどな。


「召喚獣のこと、僕に話しなくていい、だが、話したいならいつでも聞くから」


カイル兄さんは本当に優しんだね、なんだか凄く秘密を打ち明けたい気分になった。


「うん、いずれ、話すからね、あ、どうして、あたしが、考えていることが、分かるの? 」

「そりゃあ、ながいつきあいだからな、ケイリはもう僕のかわいい、かわいい妹だからな」


またこれか、あたしはカイル兄さんの妹ではなく、恋人になりたい。

でも多分、カイル兄さんはあたしの気持ちを気ついて、妹扱いするようになったと思う。でもこのままじゃあ…


カイル兄さんの役に立ってば、何かが変わるかも。でも、魔法適性は人並みだし。うん、弓はどうかな?


「ねぇ、カイル兄さん、弓を買って、くれない、かな? 」

「その細い腕で弓を引けるわけないだろう、ケイリは心配しなくでいい、元々ケイリを戦わせるつもりはないから」

「でも、あたしも、何か役に立ちたい」

「じゃあ、ポーションで僕を回復するのはどうだ? 」

「・・・」

「そんな顔するなって、よし、わかった、弓を買いに行こう」

「うん」


間違いない、カイル兄さんはあたしの気持ちを気ついてる、今告白したら振られてしまう。でもまぁ、一緒に旅に出ることになるし、違う一面を見せれば、何かが変わるかもしれないし、焦ることはないか。


あたし達は弓を買いに行った。そしたら、店員さんにすすめされて、魔法の弓を買った。矢ではなく、魔力の矢を放つの、しかも狙った相手を追尾してくれる不思議な弓。でも、魔法の弓なら、弓を引かなくでもいいではないかと思ってしまう、だってそうでしょう? 魔力の矢は魔法みたいなものでしょう? どうして引く必要があるの? 弓を引くのは結構きついから、魔力より、力の方が早く尽きそう。あと、魔法の弓は結構軽かった、矢も要らないし、あたしにピッタリかも。

弓だけで予算を全部使った、だから防具を買わなかった、でもカイル兄さんが守ってくれると言った、そねに、防具重そうだからそれでいいと思う。


弓を買ったら、あたしは家に戻って、親にカイル兄さんと冒険者になりたいって言ったら・・・うん・・・


「お父さんは認めんぞ、ううう、お母さんも何か言ってよ」

「お父さんは黙っていなさい、ケイリ、あなた、分かっているでしょうね、あなたの召喚獣召喚を使役するには、代価がいるのよ、使うつもりないでしょうね? カイルに召喚獣のことを教えた? 」

「教えるつもりは、ないよ。それに、これを見って、魔法の弓だよ、すごいよ、だから召喚しなくでも・・・」

「そう? では、これを持って行きなさい」

「腕輪? 」

「そう、お父さんと結婚した時、お母さんのお母さんから受け継いだものだ、大事にしなさい」

「お母さん、ありがとう」

「ケイリ、行かないで・・・」

「お父さん・・・」

「やかましい!! 」


親の許可も降りた、でも、この腕輪は多分あたしが結婚する時にくれるものだと思う…つまり、お母さんは二度とあたしに会えない覚悟をしたのか・・・


「お父さん、お母さん、あたし、幸せになるからね」

「ええ、幸せになりなさい」

「ケイリ・・・」


こうして、あたしはカイル兄さんと旅に出た。


あたし達は村を出って、大きな都市に目指した。途中に魔物に遭ったけど、カイル兄さんが簡単に全部倒してくれた、カイル兄さんは本当に強かったね。

そしてあたし達は冒険者ギルドで登録した。


「やあやあ、お二人さん、ラフラフだね」

「いや、ケイリは妹見たいなものだから」


またか・・・はぁ・・・それにしても、こんなにショートカットが似合う女性で滅多にいないわ、ちょっと羨ましい。でもまあ、革の鎧着ているし、ガサツな感じだし、負けることはないか。


「ケイリと、申します、よろしく、お願い、します」

「カイルです、よろしくお願いします」

「メイよ、よろしくね、ねぇねぇ、お二人さん、一緒にクエストしよう」


あれ?


「あたし達は、登録したばかりです、本当に、あたし達で、いいですか? 」

「うん、まぁ、例え召喚獣があっても、一人には限界があるからな、だから、パーティを組めそうな人を探しているよ」


召喚獣?


「じゃあ、僕達と組みますか? 」

「まぁ、焦らない、まずは君達の実力を見ないと」

「あの、メイさんは、召喚師なの、でしょうか? 」

「そうだよ、カテゴリー二の魔物、スノーブラックウルフと5匹と契約してる」

「あの、召喚獣と、契約するには、何か、代価が必要、なのですか? 」

「いや、何も? 」


ん?


「言うことも、ちゃんと、聞いてくれますか? 」

「聞くよ」


う、羨ましい!


「召喚獣5匹いるのに、僕達みたいな新米冒険者を誘うのですか? 」

「冒険者が敬語を使わない方がいいよ、見くびられるから。 あと、君、ケイリだったけ、その腰までの髪、戦いの邪魔にならない? 」


アーチャーだし、大丈夫と思う。


「あ、そうだ、ケイリも召喚師だ、召喚獣のこと、ケイリに色々教えてくれないか? 」

「おお、召喚師か、どんな召喚獣と契約したの? 出して見よう」


カイル兄さんのバカ! 召喚獣なんて出したら最低でも指一本は持って行かれるわよ! カイル兄さんは悪気がないでしょうけど・・・

ケイリ十六歳、大ピンチ!




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