第一章 目が覚めると十年後(2)









 走る。走る。走る。


 脇目も振らず全力で走る。蛇の化物に追いかけられていた時よりも、死ぬ気で走る。


 時々行く手を阻むように新たな化物が姿を現すが、現れて一秒もしない内にそれらは姿を消していく。いや、消し飛んでいく。智貴の背後から放たれた槍を受けて。智貴に放たれたその流れ弾によって。


「し、死ぬ死ぬ死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!」


 智貴は絶叫のような泣き言を零しながら、廃墟の中を駆け抜ける。


「待ちなさい、この、待て! 待たないと全身に風穴開けるわよ!」

「もうすでに開けようとしてるじゃねえか! てか、そんな台詞で誰が止まるか! ボキャ貧か手前!」

「誰が貧乳ですって! 撤回しないとぶち殺すわよ!」

「言ってねえし! 貧しかあってねえよ!」

「また言いやがったわね。殺す、確実に殺す!」


 痴話喧嘩のような言い合いをしながら智貴を追いかけるのは、先刻「智貴を殺す」発言した少女だ。


 何故か妙な誤解をして智貴への敵意を募らせているようで、その影響か彼女の周りをまわる槍の速度が増す。その速度に比例して彼女がまき散らす破壊もその規模を大きくしていく。


 なにが起きているのかと言えば、簡単に言えば命がけの鬼ごっこである。


 逃げる役が智貴で鬼役が少女。もとい逃げる智貴に、少女が槍を放ちながらおいかけているのだ。しかも外れて地面に刺さった槍も、再度操って智貴に放っている。事実上、無限に弾がある大砲のようなものである。しかもその一撃は化物を消し飛ばすようなものだ。蛇の化物に追いかけられていた時に放たれた槍の雨は、どうやら本気ではなかったらしい。さっきまで死闘を繰り広げていた蛇の化物がかわいく見えるほどの凶悪さだ。


 智貴はかろうじて紙一重でそれを避け続けているが、それもいつまで持つかわからない。ただでさえ智貴は空腹で、しかも疲弊しているのだ。むしろそんな状態で、こんな綱渡りのような真似を維持できていることが奇跡と言っていい。


 なんとか早い内に手を打たなければ。しかし手を打とうにも今持っている物はスマホと財布ぐらいしかない。これでどうしろと……いや、待て。今は少なく見積もって八年の時間が経過している。それだけの時間があれば、テクノロジーは発展しているのではないか。現に少女が使う槍は、智貴にとって未知のものだ。ならば逆に、智貴の持つスマホも、旧時代の遺物と言うことで少女にとっては未知のものになりうるのではないか。


 確証などないし、確かめようもない。一種の賭けのような思考だが、他になにも思いつかない以上これしかないだろう。

 それにいよいよ少女の方も焦れてきたようだ。おそらく防衛の為だろう、自身の周囲を旋回させていた槍までも攻撃に回し出している。


 智貴はスマホを取り出して手早く弄ると、隙を突いて横の路地に飛び込む。そして行き止まりに突き当たってしまった。


「やっと、ふぅ、追いつめた。わよ」


 肩で息をしながら少女が勝ち誇ったように言い放つ。その周囲には彼女の操る槍が全て展開しており、いつでも発射できる状態になっている。出口はもちろん少女の立っている入り口のみ。


 少女の言う通り、完全に追いつめられた形である。


「……命乞いしたら助けてくれたりしないか?」

「ありえないわね。貴方が悪魔である以上、放置することはできない。しかも私の八脚の神馬槍スレイプニルをここまで回避できるほどの実力を持つならなおさらよ」

「いや、俺は正真正銘、爺さん世代から純正の日本人なんだが……」


少女が鼻で笑い飛ばす。全く信じてくれていないらしい。


「じゃあせめて冥途の土産に一つだけ。一つだけ教えてくれ! いや、教えてください!」


 命乞いが通じないなら、と智貴は話を変える。それに少女は答えないが、しかし同時に槍を飛ばしてくることもしなかった。


 それを了承と取って、智貴は質問を投げかける。


「人間はまだちゃんと生き残ってるのか?」

「……不思議なことを聞くのね。それもなにかの作戦かしら?」

「どう取ってもらってもいい。それでもあえて言わせてもらえば、個人的な理由で知りたいからだ……それで、人間はまだ生きてるのか? ここにいたりするのか?」


 わずかに困惑したように少女が眉を顰める。智貴の思惑がわからないのだろう。


「どうせこの場で俺を殺すんだったら、なにを言っても一緒だろう? なら少しくらい慈悲をかけてくれても罰は当たらないだろうよ。むしろ死ぬ前に、善行は積んどいた方がいいって言うしな」

「よく回る口ね……いいわ、その程度のことを教えたところで、なにか不都合があるとも思えないし。教えてあげるわ」


そこで一旦台詞を切って、少女は息継ぎをする。


「人類は無事よ。でもこの死都の中にはいない。言うまでもなく人間が住める環境じゃないもの……これでいいかしら?」

「無事ってのはどれくらい無事なんだ? この惨状になって、どれくらいの人間が死んだ?」

「教えるのは一つだけの約束じゃなかったかしら?」

「情報の補足なら、それも一つのうちに入ると思わないか?」


少女は呆れたようにため息をついた。


「命を握られてる癖にとんだクソ度胸ね……仕方ないわね、そもそも十年も前の話だもの。いえ、十年も昔の話だから私も詳しくは知らないけど、東京の地獄変シフトカラミティで生じた犠牲者は約十万人と言われているわ」


 万を超える数字に衝撃を覚えるが、智貴はかろうじてそれを内心に押し留める。


 詳しい状況はわからないが、しかし東京の住民数は一千万を超える。東京にいた人間のほとんどは無事と言うことだ。


 十万人が少ない、とは決して言わない。しかし、自分よりも優秀な妹や両親のことだ。それぐらいの被害ならきっと無事に退避したに違いない。


 ならば完全でこそないが、智貴は幾らか気が楽になった思いだった。


 懸念の一つはほぼ解消された。ならばあと気にするべきは目の前の懸案事項のみである。


「さあ、おしゃべりはここまでよ。満足したなら、後は潔く――死になさい」

「その前に恩返しをいいか?」

「妙な真似をしたら即座に射貫くわよ」

「安心しろよ、言葉だけで終わる。痛い目にあいたくなかったら、足元を見ることをお勧めするぜ」

「そんな口車に私がのると――――」

「思ってないさ」


 智貴が笑みを浮かべるのと、少女の足元でスマートフォンのアラームが鳴るのは同時だった。


 路地裏に飛び込んだ際、その入り口付近にラーメンタイマー――起動させると三分後にアラームが鳴るアプリ――を起動させたスマホを落としておいたのである。


 少女はいきなり足元で音をなりだしたスマホを見て、驚いたように後ろへ飛ぶ。たかだかスマホを見たにしては大げさすぎる挙動だ。だがそれもスマホを見たことがないなら頷ける。


 おそらくと言うべきか、やはりと言うべきか。今の時代、スマホはなくなっているらしい。だからこそ少女はスマホを見たことがなく、今のような挙動を、隙を見せたのだ。


 そして智貴はそれを見逃さない。


 まともな武器として使えそうなものはない。だが、相手を殺傷するだけなら、そこらに転がっている鋭いガラスの破片で事足りる。そして平穏だった頃ならまだしも、廃墟と化した東京であれば、そんなガラス片は幾らでも散らばっている。


 智貴はガラス片を走りながら掴むと、少女が対応するよりも早く彼女に襲い掛かった。


 少女がそれに気付いて槍を放とうとするが、遅い。槍の穂先を智貴に向けたところで、先に智貴の手が少女ののど元に届く。


 とっさに後ろに跳んで距離を取ろうとする少女の足に、智貴は自分の足を引っかけてそれを阻む。同時に少女の姿勢が崩れた。そこに智貴は覆いかぶさるように乗りかかり、マウントポジションを取ることに成功した。


「離しなさい! この、変態! 色魔! 強姦魔!」

「うるせえ! こっちも命がかかってるんだ! 変態呼びされた、ぐらい、で……退いたり、なんか……」


 智貴は反射的に言い返そうとして、言葉に詰まってしまう。


 本来ならここで喉元にガラス片を突き付けて脅すつもりだったのだが、あまりにも予想外なものを目の当たりにして、そんな考えが空の彼方へと飛んでいったのだ。


 何故なら押し倒された少女が身に着けていたヘッドホンが、もつれ合った際に外れていた。そしてファンタジー小説に出てくるエルフのような、長い耳が露わになっていたからである。


「え、エルフ耳……?」


 智貴の発言に少女は慌てて自分の耳元を探り、顔面を青ざめさせる。


「み、見るな!」


 叫んだ少女が暴れ出し、智貴は振りほどかれそうになる。それでも振りほどかれまいと智貴が絡める足に力を込めると、少女は急に抵抗を止めてしまう。


 智貴が怪訝に思ったのは一瞬の事。すぐに異変に気が付いて、顔を上げる。そして少女が操る槍の全てが、その穂先を智貴たちに向けていることに気が付いた。


「ばっ、自爆する気か!」


 智貴が叫ぶが、その言葉は少女に届かない。どうやら軽い混乱状態に陥っているようだ。


 智貴たちに向いている槍はドーム状に展開している。避けようと思って避けられるようなものではない。いや、智貴一人ならひょっとすれば避けられるかもしれない。ただ、確証は全くないが。


 死ぬ気で頭を回す智貴だったが、しかし結論が出るよりも槍が射出される方が早い。


 蛇の化物を屠った時の数がおおよそ五十。それに加えて、少女の周りで展開していた八本を合わせれば、六十に及びかねない。そしてその一発一発が、大砲のごとき威力を持っている。着弾点にいる智貴と操り手である少女はただで済まないだろう。それこそミンチで済めばいいところだろう。最悪、周りにシミを残すだけで跡形もなく消し飛ぶかもしれない。


 逃げなければ間違いなく死ぬ。だが智貴一人で逃げれば、少女は助からない。そしておそらくだが少女の頭には智貴を屠ることしか頭にない。つまりここで智貴が逃げれば、この名前も知らない少女を見捨てることになるのだ。


 この少女は智貴の命を狙った相手だ。それが死のうがどうなろうが、智貴の知ったことではない。


 だが、どうにも気になっていることが一つある。


 なぜ彼女は蛇の化物を殺したのか、だ。


 あの時、一緒に智貴に向けられた攻撃はかなり危険だった。しかしさっきみたいな大砲じみた威力はなかった。つまりそれは、少女に智貴を殺す気はなかったのではないか、と言うことだ。そうなれば、あの時の攻撃も意味合いが変わってくる。


 智貴を殺す気はなく、後ろの蛇を殺すつもりはあった。それはつまり、少女は智貴を助けようとした、と言う事なのではないか。


 よくよく考えてみればこんな化物がはびこる廃墟に、五体満足の智貴がいること自体怪しさ満点なのだ。悪魔、と言うのがなんなのかよくわからないが、とにかく智貴の素性を疑うのは正常なことと言える。ならば、その後の行動も言うほどおかしいものではないだろう。一方的に少女が責められるようなものではない。


 もっともそれらは全て憶測だ。確証なんてどこにもない。更に言えば、殺されそうになったことも間違いないし、自分の命がかかっているのだ。ならば彼女を見捨てたところで、誰も文句は言えないだろう。だけど。


 だけど、あの時この少女のおかげで、智貴は蛇の化物から逃れることができたのだ。



 ならば少女が危険な目に合うのを黙って見過ごすのは、寝覚めが悪い。



 腹が決まる。意思が固まる。


 現状に対する対策を考察する。


 飛んでくる槍を迎撃する――現実的でない。破棄。


 少女に覆いかぶさって盾となる――効果が薄すぎる。破棄。


 発想を変えて穴を掘る――あらゆる面で不可能。破棄。


 ならば、できることは一つしかない。


 少女を助けるために、智貴は意識を外から中へと向けた。自身の中にある黒々とした欲望。全てを喰らい尽くそうとする異常なまでの食欲。破壊衝動にも似た、それは暴食。


 狂った衝動にも似たそれを、長年閉じ込めていたそれを、智貴は外へと解放した。






 *




 なにが起きたのか、神宮じんぐう喜咲きさきにはわからなかった。


 悪魔と思しき少年に押し倒されて、隠していた耳を見られたところまでは覚えている。そしてそんな彼ごと、その記憶を物理的手段で排除しようとした。そこまではいい。


 いや、よく考えると、後先考えないとんでもない暴挙だったが、結果的に無事だったので気にしない。それよりも問題は目の前の光景だ。


 自分に馬乗りした少年。その背から黒い木が生えていた。木の先端は無数に枝分かれして、見たことのない化物に繋がっている。


 化物。本物の悪魔を知る喜咲から見ても、それは化け物としか形容できなかった。


 手もなければ足もない。目も、耳も。鼻は……わからないが、しかしはっきりあるとわかるのは口だけである。


 無数の鋭い黒の牙を口内に持つ、口だけの化物。それが視界一杯に広がっていた。


 一体何匹いるのか。少なくとも喜咲が放った槍の十倍はいそうである。それが喜咲の放った槍を喰らい、結果として喜咲と、そして彼女に乗る少年を救ったのだ。


 だが槍を全て平らげても、化物たちの進軍は止まらない。


 廃墟を、悪魔を、道を。ありとあらゆる形あるものに食らいつき、喰らい尽くす。


 例外などない。すべての物がそれにとってはただの餌でしかない。


 一体どれだけの時間、喜咲はそれを眺めていたのだろうか。


 一分か、二分か。それとももっと長い時間だったのか、はたまた短い時間だったのか。


 目の前で生じた光景に理解が追い付かなかったせいか、呼吸をするのも忘れて、喜咲はただただ茫然とそれを見ていることしかできなかった。


 そしてその異常な食事の光景は唐突に終わりを告げる。


 自分に乗っていた少年が痙攣したと思った瞬間、木に繋がれた食い意地の張った化物たちが、まるで蜃気楼だったかのように消え失せたのだ。同時にその苗床となっていた少年も、糸が切れたように、喜咲の上に倒れ込んだ。


 重い。その重さが喜咲の意識を現実に引き戻す。


 慌てて少年をはねのけるようにして起き上がってみれば、そこには先の光景が嘘でない証拠がありありと地面に刻まれていた。


 およそ見渡す限り巨大な盆地がそこには出来上がっていた。


 喜咲と少年がいた場所だけ残すようにして、周辺広範囲のすべての物が消滅、否、食い尽くされている。


 もしも自分たちのいる足場が残っていなければ、核爆弾を落とされた爆心地かと見紛う程、そこにはなにも残されていなかった。


 喜咲は自分の左隣を見る。そこにその惨状を生み出した張本人足る少年が倒れている。


 少年は意識を失っているのか、横倒しになったままピクリとも動かない。


 この少年はいったい何者なのか。


 そもそも今自分たちがいるこの死都東京は、人類守護のため、幾枚もの分厚い壁に覆われている。しかも喜咲たちがいるのは、二枚の壁を越えなければ入れない中層域だ。ここにいる悪魔より危険度は低いとは言え、それでも悪魔がはびこる外周域を抜けてこなければここには来られない。


 そんなところにろくな装備もなくいる時点で不自然だ。


 それでもなにかの間違いで一般人がやって来た、と言う可能性はゼロではない。だからこそ様子見と助けるのを兼ね合わせて、蛇型の悪魔と一緒にいた所を攻撃したのである。


 もちろん、死なないように手加減していたし、当たって気絶でもしたら連れて帰るぐらいのことはするつもりでいた。しかし少年はその攻撃を全て避けるなどと言う離れ業をしてみせた。


 少年に向けて放った槍の数は八。しかも気付かれないよう、死角から放ったのだ。その全てを魔術で防ぐならともかく、生身で避けるなど尋常ではない。


 そしてさっきの見たことのない攻撃。


 あの木のような獣のような、見たことのない攻撃。あれがなんなのか、喜咲にはわからない。わからないが、しかしあれが存在していいものでないことだけはわかる。


 この少年が存在するだけ、他の場所にも似たような破壊をもたらすかもしれない。


 その破壊が外でもたらされた場合、その被害は甚大だ。


 やはり、この少年は見過ごすには危な過ぎる。


 喜咲はそんな思考に促されて、少年に向かって手を伸ばす。そして――首元から鳴った電子音で、正気に戻った。


 慌てて手を引っ込める喜咲。さっき攻撃した件に関して少年は悪くない。むしろ少年がああしていなかったら二人とも無事では済まなかったかもしれないのだ……改めて自分の軽率さを思い知らされて、喜咲は顔をしかめる。


 とにかくあまりにも予想外の出来事で混乱していたらしい。喜咲は自分を落ち着かせようと三度、深呼吸した。


 そしてそれだけの時間をかけても、首元の電子音は鳴りやまない。


 喜咲は諦めたように肩を落とすと、首に付けたチョーカー。携帯汎用端末コネクタに触れた。直後、聞き覚えのある声が直接頭に聞こえてきた。


『もしもし聞こえるか? 私だ、間宮初だ』

「単独で死都中層域に入って申し訳ありませんでした」


 相手の名乗りを聞いた直後、喜咲が謝罪する。しかしその台詞とは裏腹に、表情と声は不愉快そうなもので、言葉が本心からの物でないことを物語っていた。


『……知っているかね? 謝罪は、言えば許してもらえる魔法の言葉ではないのだぞ?』

「ですが言わなかったら余計怒られますから」


 まったく悪びれない喜咲の台詞に、相手が呆れたようにため息をつく音が聞こえてくる。


『……まあいい。今回はそのことについては不問としよう。君の独断専行のおかげで、どうやら最悪の事態は回避できそうだからな』


 そんなあっさり許されると思っていなかった喜咲は、怪訝そうに眉を顰める。それに今の言い方も気になるところだ。


 なにかがあったのだろうか。そう考えてから、喜咲はふと少年の方に視線を向ける。


『とにかく、本題だ。今君の傍に少年が一人いるな? すぐに彼を拘束して学園へ回収してくれ』

「回収、ですか?」


 言われて喜咲は逡巡する。


 人間性には問題はないのかもしれないが、それでも目の前の少年は爆弾のような存在だ。それを学園に連れ帰ってもいいものだろうか。


 そんな喜咲の逡巡を察したのか「今さっき、衛星がそこでなにが起きたのかを捉えていた」と、補足される。


『今さっき『暴食』が発動し、半径一キロメートル圏内にあった悪魔と建物の全てが消滅した』


 その言葉に喜咲は目を見開く。その言葉が本当なら、この横で倒れている少年は――――


『その少年こそ、君の世界を滅ぼし、そして東京を死都に変えた張本人。魔王の断片が暴食エンドフラグメンツ・グラトニーだ』






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